第10話 予定変更

 AM7:50 再入場する。

 広場にはちらほらと探索者たちが集まってきてる。基本的に9:00から潜る人が多いからまだ少ない。まあ、人でごったがえすなんてこともないらしいけどな。


 翔「大分余裕があるから、目隠しトレーニングをやってくぞ!最初は俺からな!モンスターの発見を気配で察知する訓練ね!一体の時は目を開けてる方が倒し終わるまで。二体の時は、安全圏のギリギリまで。いずれは、目をつぶってる方が倒せるまでに至れたらいいな!」


 渚「バッチリナビしちゃうかんね!!いつもと同じように1㍍のとこにいるからね!じゃあまっすぐ進んで!」


 渚の気配を感じながら、指示を聞きながら進んでいく。

 今日は草原なんで、道なんてないしな。

 回りに意識を広げていく。よくわからないな。がいつかは出来るようになる。、、、といいな。

 目を閉じてるから自分の足音がやけに気になるから、これもならさないように意識して歩く。

 ときどき、スライムとかは出てくる。

 感じるような感じないような。

 でも素振りとそうでないとこは分かった。気配が変わるのが伝わるわけだ。

 そんな感じでしばらく進と、


 渚「ホーンラビット、一匹、正面だよ!」


 ようやくモンスターのお出ましだ。


 渚「ストップね!」


 渚の指示で安全圏で停止する。ここからは気配の把握に集中する。

 確かに正面に何かの気配を感じる。

 戦闘は一瞬だったが、恐らくは攻撃に写ろうとしたときには殺気が放たれる。お互いにだ。

 これは消せるようになった方がいいな。モンスターも感じ取ってるのか

 警戒心が強くなったから。


 翔「戦いは見えなかったけど、何となくだけど、攻撃の意思ってのかな?殺気みたいなのが感じ取れて、モンスターも警戒してたから、もしかしたら押さえた方がいいのかもそれないな。俺もやってみるから感じ取ってみてくれ」


 渚「達人さん見た~い!私も頑張るね!」


 と言うことで俺が目を開ける番だ。歩くペースにも気を配り、モンスターを逃さないようにする。


 翔「コボルト1。2時の方向」


 敵の数と位置を指示する。

 安全圏でストップをかけて、俺はコボルトと対峙する。


 もう倒しかたは大丈夫なので、突き以外の練習もする。


 武器を落とさせてから倒すことにした。

 と言ってもまともに攻撃させるつもりはないので、一気に詰めて、ナイフを払い落とす。

 そのあと、突く。残酷かもしれないが、急所をはずして。すかさず抜いて切り落とす。


 いい感じやな。


 目を閉じてるから、移動速度は落ちるので、楽なのかなと思ったけど、なんてことはない。

 倍以上にしんどい。脳は必死に情報をかき集めるしフル稼働。普段はひろはない情報までかき集めてる感じ。

 それだけじゃない。普段何気なく歩いてるけど、無意識に最適解で力のいれ具合だったり、バランスを保っている。

 視覚を失うと、平衡感覚から何から足らなくなる。と言うか狂う。

 今は行われる余裕がないが旧時代の二足歩行ロボットを連想させられる。

 莫大な処理能力。これが一気にのし掛かるわけ。

 身体の動かしかたから何から、自分で選択してる感じがする。

 当然、感じ取ってからなので一歩遅れるわけでその分の負担はダイレクトに身体にかかってくるから、、その結果。


 AM10:00


 翔「はぁはぁはぁ、、、バカ疲れた」


 渚「昨日の庭での訓練は比じゃないくらいね。身体が痛いし脳が疲れるってこの事だね。何がそんなに違うのかな?」


 翔「言っても勝手知ったる家の庭だから、目を閉じてたって何となくわかるさ。目を開けてる方はVRだとしても閉じてる方は家の庭だから、それに手入れされてるから、歩きにくいこともないしな。それと俺たちが未熟な上にやっぱり目を閉じた状態で戦闘音は恐い。で目を開けた瞬間に、イメージと現実が再計算される感じ。、、、ようやく落ち着いてきた。」


 渚「ちょっと消耗が予想以上だけど、どうする?」


 翔「無理しても仕方ないし一旦ロングタイムの休憩にしようか。あっ!薬草たまったし、ゼリーも溜まったし、お肉も溜まったから一旦そっちの方面に進まない?」


 渚「さんせ~!」


 翔「その前に、一旦マッサージまで終わらせるかー」


 思いの外順調だったけど、無理するのもよくないので、ここで方向転換。また夕方から潜ればいいよな!

 シャワーを浴びる。そのあとに洗濯をして装備品の手入れ。


 翔「思ったほど痛んでないよな?汚れも毎回とってるし、ジャージ着てるから苦にならないしな。あっしまった!ちょっとお湯の分配するよ!」


 と言うことで、なぜか分配作業が蒼銀兄弟の部屋の発動がに選ばれた。


 翔「どうも翔です。探索者兄弟なんですがそのサブチャンネル、その記念すべき一回目の動画!それは一体なんですか?」


 渚「はい!それは、、、、お湯の分配作業です!」


 翔「そこで?を浮かべてる皆さんは正解です!探索者とお湯の分配?関係あるの?と思ったかたも多いことでしょう!それが、関係あるんです!!ちなみにDIYが得意な親がいましたので、その影響で自分も得意ですっとなんだっけ?」


 渚「お湯の分配の話だよー!もう私が言うね!探索者の皆さんは、戦闘服の汚れが毎回落ちなくて困ってたりもする人が多いと思います!お風呂場でお湯使って手洗いするかたもいるのかなと。はいそこで洗濯機にお湯を使えたらいいんじゃね?って企画です!さらに、それだけじゃない!」


 翔「探索者の大半はブーツ!それを一日中走り回ったりしてたらそりゃ足も蒸れますよね!はぁー疲れたなんて家に帰ったら、恋人から、奥さんから、家族から、、足臭い何て言われたらやるせない。ならどうしたらいいか!簡単です。家の前で洗えばいい。え?水道がない?水が冷たい?そのために工事をしてもらうとうん万円が動きます!そこで今回の動画になるわけです!」


 渚「題して、お金を極力かけずに外にお湯の分配をしよう!ですね」


 翔「はい!今回使うのはこのホースにジョイントにモンキーを二本です!あとはこの蛇腹。値段ものせときますね!」


 ホースは必要な長さが違うわけだしね。


 翔「色々ありますが今回はこの給湯器から直接分配をしていきます。このカバーが被ったのがお湯の配管ですが紛らわしいのがここにもありますね。そんなときは一回電源を抜いて、冷ましてからまた、お風呂のお湯を出して熱くなった方です!もうあとは簡単です!ここの部分をはずして、この三ツ又のをつけて終わりです。注意点はこのパッキン。これがないと確実に漏れます。心配な方はさらにシールテープを巻いてください。で、この部分に蛇腹を被せて、あとはこのホースの方の蛇口を捻れば、お湯が出ます!温度はお風呂のお湯の温度と同じです!俺達は、探索者専用の洗濯機にしますんで、ここに洗濯機は設置します!電源はこの給湯器の電源が使えますんで!これで洗濯機は終わりです。次は足用。シャワーヘッドだけで充分ですよね。なんならホースのずるなんかをつけると洗車にお湯が使えますよ!もちろん水も出せますし。俺達は車なんてないのでシャワーヘッドです。ちなみにうちは元々洗い場ついてますけど、子供用のプールあれを使ってあげて、排水のところにホースを着けて、排水溝へ繋げると簡単な洗い場ができちゃいます!さらに!更衣室用のテントを設置したら屋外シャワー室の完成です!足だけじゃなくて全身洗ってから入ってこい!!なんて言われてる人はぜひチャレンジしてみてください!ただしくれぐれも自己責任です!」


 渚「探索者じゃなくても便利でーす!お子さんなんかも泥だらけの場合は外で洗ってあげてからでもいいかもですねー!なんなら露天風呂も作れちゃいますよ!お庭でバーベキューする際もあると嬉しいですね!では次回は初探索で得た食材を使って色々作ってみたです!」


 なかなか簡潔に纏まったな。

 あとは編集をしたら、20分くらいにはまとまるだろう。


 翔「んじゃ洗濯をしてっと。問題無さそうだな。じゃあ風呂いきますか」


 渚「あーい!」


 何か幼児化してないか?


 渚「ふぇーーーとろける~!あたまがーとけたー」


 翔「いや溶けないからな?でも脳みそ使うって感覚はすごかったな!」


 渚「ほんとだよ!目を開けてても、取り込まなきゃって感覚だったから最後の方はほんとに目を閉じてても映像が浮かぶと言うかなんと言うかだったよ!」


 それは俺も感じた!だが問題はこるがプラスなのかどうかと言うことだな。


 翔「だけど、少なくとも生活はできそうだよな!良かったよ!」


 渚「ほんとだよね!あっなに作ってみる?」


 翔「まずは家にいるし食事だなー。兎の香草焼き。薬草パスタ。それからお茶とサラダ。それから、探索用には、飲むゼリーがいい気がする。あとは夜の麦茶を薬草のほうじ茶ラテにしてみないか?俺はこのオイルと、お灸を薬草で作ってみようかなって思ってる」


 渚「ならさ!キャンドルも作ろうよ!全然青臭い感じしないからさ!レモングラスみたいで爽やかな感じだし!あっ柑橘系と会うかもしんない!味の整えるのはハチミツでやろっかな!」


 結構いろんな案が出てくるもんだな。ちなみにだが、こう言った動画でのオリジナルレシピは特許が勝手につくようになってるから仮に商品化されたとしても特許料がしっかりとはいる。

 個人が作る分には関係ないし、動画の場合はオリジナルの人の広告が流れる上に特許料まで入るわけだ。

 なので、旧時代のような、誰々のネタとか、著作権がとかは結構問題にならなくなってきた。

 特に音楽関係。


 そんなわけで、風呂から上がって休憩をして、本日二本目を撮影することにした。


 PM 00:00


 渚「どうも~!渚でーす!今は初回探索が終わって、急遽動画をとって、休憩をしたあとの正午です!本当は連続で潜るつもりだったけど、まだまだ未熟者なので、このままじゃ危険だと言うわけで、ロング休憩をしてから再度挑戦していきます!で、空いた時間をだらだら過ごすのももったいないので、せっかくだからとれた食材を料理なんかにしてきまーす!」


 翔「翔です。作るのはまずは昼食です。それと探索時の栄養補給になったらいいなと言うやつと、オイルにキャンドルに、お灸を作ります!金がないなら売れと思うかもしれませんが知ってますか?買うと高いですけど、卸値なんて、薬草とスライムゼリーは二束三文ですからね。自分達で活用していこうと思います。」


 渚「お肉はそこそこいい値段にはなるんだけど、とは言え、売るのに色々と処理もしなきゃいけないですからね。なら食べますよ。まだまだ育ちたいので!はい!じゃあ味見してきます!洗った生の薬草を」


 翔「そのまま食べます。、、、なんだろう。美味しいとは言わないけど、苦味とか青臭さとかないね。紫蘇とかかな?もっとすっきりしてる。レタスみたいにみずみずしさもあるね。」


 渚「ほんとだね!じゃあ、メニューはシンプルにサラダとパスタと香草焼きでーす。スープにもいれちゃいます!飲み物もお茶にしますよー!」


 翔「じゃあ俺は、香草焼きとお茶にするように、乾燥させて砕いて炒ります!まずはレンジで水分飛ばして、、、、、軽く砕いて、フライパンで炒めるだけですね!」


 渚「こっちはサラダですね!洗って、切ったらはい完成!ドレッシングはシーザーにしようかな!で、パスタは、、、シンプルなのにしようかな。まずは卯肉を薄切りにして、油で素揚げする感じでカリカリのお肉にしたら、ここにパスタを絡ませて、ここで薬草の千切りを投入します!で最後に少し醤油で味を整えて、ニンニクは使いません!スープは玉ねぎスープに卵と薬草をみじん切りにしたのを入れてみますね!味見はどれもしません!香草焼きは、フォークで穴を開けてそこにコショウとお兄ちゃんが作ってくれた薬草をまぶして、、、、皮がないので、小麦粉つけますね。で小麦粉の面をしたにして、オリーブオイルで焼きますね。あっついでに唐揚げも作ろっと。この薬草を粉末にしてっと、卯の肉を一旦浸けおきしときます。

 んーまだつくれるなー。えーっと薬草の肉巻きも作ってみようかな。あとは薬草とチーズインウサギかつ。油はお兄ちゃんが薬草の種?から絞ってくれたのでそれ使いまーす。オリーブオイルは取り止めで!」


 翔「ということなのでさっさと絞りますね!案外このチューブ絞るやつ使えますね。、、、ふぅー。疲れた。これはもっと簡単なのを作らないとな。っとそれはいいとして、このオイルで、マッサージオイルを作ろうと思います!まあ、濾して濾して濾してとにかく不純物を取り除きます。まあセットするだけですけどね。ついでに濾した方のオイルと薬草の葉をお灸にするのと、オイルと柑橘系がマッチしそうなので、キャンドルを作ろうと思います!はい、では凝固剤なんてものはないので、、、スライムゼリー使ってみようと思います。冷やせば固まりそうなのでね。この貰い物?が良さそうですね。一旦暖めて溶かしたら冷ましてからこの中に入れて、芯をこんな感じで割り箸で挟んどけばいいですよ!香りは、渚が今作ってるゼリーの皮を使います。あっ、マッサージオイルの方もそうしないと。金がないなら果物買うなとかは言わないでくださいね!栄養はしっかりとるつもりですので。もう少しせが伸ばしたいのと健康でいたい!ですがこうして自炊してますんでね。で気づいてるかもしれませんが、服とか全部手作りなんでね。あっインナーは買いました!あとはインソール!それ以外は妹のリメイクです!」


 渚「シリアルバーとかも全部手作りですし、探索時に飴やドリンクとかもよく飲んでると思いますが、、、、手作りです。学校用品も、、、手作りです。じゃあかんせー!食べよー!!」


 昼御飯めちゃくちゃうまかった。薬草料理はマジでおすすめ!ウサギの肉もあっさりだけどジューシーだ。

 充分うまい!!揚げ物も、薬草タルタルソースも合うし、衣に薬草が入っててあっさりだけど。油もマジで上品。

 大成功だ!!さらに言えば、お茶もうまいし、牛乳割りもうまかった。はちみつレモンの薬草ドリンクもマジでおすすめだからね!プロテインもだ。

 本当に身体にいいのかは謎だけどね。


 しかも、疲れが吹き飛んでる。


 そのあとは、ちょうどいいタイミングで発電機?が設置できると連絡が来たので立ち会いのもと設置してもらえた。

 魔力を抜いた魔石は引き取ってもくれるそうだが、とりあえず断った。

 ガラスに近い性質らしいから、利用できると思ったからだ。


 さて、休憩は充分だろう!

 再アタックしますかね!



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