第9話 初ダンジョン

 翌日、起きてすぐに身体の調子を確かめる。

 昨日は確実に筋肉痛が残ると思ったのだが、身体は軽いまま。


 翔「針治療の効果か?すごいな。健康グッズこうかあるんだな。父さん達もちゃんと続けたらいいのにな。いや、使ってたのか?まあいいや。」


 階段を降り、ダイニングへ。


 渚「おはよー!身体がスッゴク軽いんだけどお兄ちゃんはどう?」


 翔「おはよ。俺も軽い!起きてすぐに驚いたよ。と言うより、何か起きるのがどんどん早くなってるんだけどどう思う?」


 渚「ビックリしてる。それに全く眠くもない。まだ四時なのにね。お兄ちゃんも起きてきたってことは同じ感じ?」


 翔「全くもってその通りだな。まぁ眠くもないし、いんだろうけど成長期の身としては少し心配だよなー」


 ちなみに俺の身長は現在175。これも少し前だから、もしかしたらもっとあるかもしれない。理想としては184。渚は164お互いにまだ止まってはないかな。


 渚「お兄ちゃんは一気に伸びたじゃん!私はあと、5センチほしい!169!」


 翔「お互いに理想が中途半端だよな。しかも俺の場合はもう少し分厚さもほしいな。っと顔洗って、ご飯食べたら早いけど出発するか?」


 渚「そだね!だらだらしてても仕方ないし、全部終わらせてまったり時間を増やそ!」


 まったり時間はフロアがりから寝るまでの間のことだ。

 確かにそれはいいよな。今日は初日だ!頑張るかな。


 ◆◇◆◇◆◇


 20XX/3/24 月曜日 AM4:30 


 翔「よし、じゃあ出発だな!」


 渚「おー!!!」


 時刻はまだ4時半。まだ夜が明けてない。ちょうど境の時間帯だ。

 気温もまだまだ低い。

 町はまだ誰もが寝てる時間だろうな。

 早い人たちがこらから活動を始めてくんだろうな。

 こんな時間に外に出たことなんてはじめての経験だ。


 ダンジョンは本当にすぐ近くにある。

 入り口まで五分もかからないくらいだ。感覚でいったら、運動場の向かいの家の人くらい。予鈴が聞こえてから登校しても間に合うくらいの距離だ。


 入場には探索者協会がたてた門をくぐる。自動改札機みたいな感じかな。

 で、道を抜けると入り口だ。この門から入り口までの左右には大きなレストハウスがある。食堂や売店何かが入ってるが少し高い。

 、、、テーマパークに近いかもな。

 でダンジョンの入り口にもゲートはある。

 ダンジョンは異次元に繋がってるようで、同一パーティーは手を繋いだりして入るわけだな。それが間違いが起きないように、パーティー毎で一旦固まるわけだ。昔は乱入者とか、パーティがはぐれてしまったりの事故も起きたから。


 渚「いよいよだね!」

 翔「そうだな!じゃあ行きますか!」

「「せ~のっ!」」


 ダンジョンの入り口をくぐると、今日は、草原だ。

 日替わりな上に人によって違うからな。


 渚「草原だね!、、、見渡す限り」


 翔「ほんとだな!明るさも外とおんなじ感じなんだな。この時間に行動するのははじめてだからこの紫?の世界になんか感動だな」


 渚「もーー!キャンプん時とか起きないからだって!何回も誘ったのに!!」


 翔「、、、よし、通信機のチェックと地図作成のアプリを起動して、視界に地図は映るか?」


 渚「スルーしたなー!!もうっ!、、映るし声もバッチリだよ!」


 これが機能しないと手書きで地図を書かないといけないからな。チェックはしないとな。

 4台起動させてるからよっぽど大丈夫だろうな。


 さあ、探索スタートだ。


 いつもと言っても二日間だけだがそれよりも移動速度は早い。りゆうはインソールの違い。疲れ軽減用。

 これが偉い楽なんだ。


 渚「このくらいのペースがいいみたいだね!」


 翔「みたいだな。おっいきなりモンスターだ。あれはコボルトだな。」


 渚「よっし!倒しちゃうよー!一匹ずつね!私は左に!」


 と言うわけで俺は右だ。昨日のVRファイトだと倒せたが。

 攻撃は噛みつき、引っ掻き、体当たり、ナイフによる攻撃だな


 慎重になりすぎても仕方ないので、さっさと距離を詰める。こっちのがリーチが長いから俺の間合いに詰めるわけ。

 もちろん相手が止まってるわけじゃないから、予測しながらだけどな。


 あとは、踏み込んで攻撃するだけだ。


「グゥルーぅぅー」


 モンスターは凶悪系だ。けっして仲間にしようなどとは思えない存在。

 恐怖心はさほどないかな。


 とはいっても人生初の殺し合いに緊張もする。

 狙いはカウンター。

 向かってきたところを一刺しだ。

 俺の間合いに入り攻撃はできるが無理はしない。穂先をとにかくコボルトに合わせる。

 動き出しを狙うつもりだ。目標は胸と言うか胴体。とにかく当てるのを優先する。


 多少にらみ合いの時間はあったが、コボルトが姿勢を低くした。

 これは!


 すかさず、槍を突く。

 体を低くしたときは突進の合図だ。

 なので、動き出しと俺の繰り出した突きは見事にタイミングがあって、顔面を突き刺す。


 刺した感覚が伝わってくる。肉を刺す感触と、骨に食い込む感触。

 気色悪い。

 が、ドロップになるまでは気が抜けない。すぐに槍を引き抜き、構えをとる。

 ほぼ即死。すぐにドロップへ変わる。

 勝利だ!

 渚の方を見ると同じようにドロップに変わると頃だった!


 翔「やったな!」


 渚「うん!でも、感触がまだ残ってるよー」


 翔「俺もだ。でもこれでようやく一歩だ。魔石を拾って、血を拭き取ったら次にいこう!あんまり深く考えるよりも、なれてしまおう!」


 渚「了解です!」


 魔石を拾って、歩きながらクリーナーで汚れをおとして、ウエスで拭き取る。

 一応携帯用研石も持ってきてるけど。

 魔物の血や油はすぐに綺麗にしないと、腐食させてくるから厄介だよ。さて次だ。


 渚「やっぱり訓練と実践は違うね!特に疲労度が」


 翔「ほんとだな。でもこの辺りでコボルトよりも強いと言われてるのはゴブリンだけだし、なんとかやってけそうだな!」


 渚「そだね!どんどん倒そう!」


 そのまま探索を続ける。


 次にであったのはスライムだ。

 こいつは、体当たりと、酸を飛ばしてくるが、、、、フッ!

 酸は連射できないから一旦近づき、バックステップで、かわしたあとに


 渚「エイっ!」


 ともう一人がつけば終わりだ。もしくは、避けたあとにすぐに詰めて刺せばいい。おっゼリー出たな。スライムはほぼお金にならない。魔石は10円。ゼリーは10個で10円だから。薬草も似たような感じだな。


 このスライムと、キラーハーブは出現率も高い。

 キラーハーブはそれこそ、槍で切りぎ払えばオッケイだ。草狩りみたいな感じに近いかも。


 俺達はどんどん進んでいく。

 魔物の出る頻度はそこまで高くない。一時間で8体くらいといわれてる。あっスライムとキラーハーブを除いてだけど。

 主に、ホーンラビットだ。

 さっきのコボルトも実はレア物。200円だからね!

 ゴブリンが300円だけど単体でしか出ないから、コボルト二体のがお得かもな。

 ただ、俺らの移動の速度が早いからか、遭遇率は高い気がする。

 次にであったのはゴブリンだ。


 大きさは130センチ程度で武器は剣。


 コボルトよりも力とか強いが、単体の場合ははっきりいって驚異ではない。


 翔「俺がやるよ」


 渚「ありがとう」


 なぜこの会話か。答えは臭い。臭いからだな。

 剣での近距離戦なら驚異もあるが、こっちは槍だ。間合いの外から一刺しだ。

 さくっと倒して魔石を拾う。


 翔「単体ならこんなもんだな。あれより近づくと錆びた剣と臭いに苦戦するかもしれないけどね。」


 渚「でもウサギがでないよね?」


 翔「時間帯も関係あるかもな。でも今のところは順調だ!あとは肉だけ手に入れば言うことはない。まだまだ余裕があるから、時間まで動き回ろう!」


 渚「そだね!」


 そのあとも、ゴブリンとコボルトが多く出た。それに、16体に遭遇した。ほぼ倍だ。

 だが、一時間が経過して、時刻は5時30分。

 ここからは通常モードに戻ったようだ。


 翔「あの一時間は偶然だな。たまたま周期になったんだな。お陰で3800円だからな!さらに、ドロップもも2つずつ出たから幸先いいな!」


 渚「ダネダネ!身体のこわばりもなくなったし!次はお肉だね!!」


 ここのメインモンスターのホーンラビットだ。一角兎なんて呼ばれたりもするが、角がある兎。

 ぶっちゃけコイツは危険なんだよな。


 風穴開けられたなんて話もあるし、普通の兎よりは大きい。中型犬くらいのサイズ。

 素早いし、角は鋭い。

 が、隙もある。跳びこんでくるときは、グッとためを作るわけだ。

 その時に首を落とすか、射線空外れて、空中にいる間に攻撃するかだが。


 俺は前者を、渚は後者を選択したようだな。

 ちょこまかした動きには惑わされないようにどっしりと構える。

 ぴょんぴょんしてるけど無視だ無視。

 穂先でとらえることだけに集中する。、、、来た!

 俺は最短じゃなくて、斜めに進む。

 もしものために、正面には入らない。


 翔「獲った!」


 斜めに進んでるから突くには力が乗らないが、遠心力を効かせて、払い切り。

 見事に上下に真っ二つだ!と言いたいがそこまでの技術や力はない。

 それでも倒すには充分だった。


 翔「突いてもよかったかもしれないけど、まだまだ突進速度が未熟だからな~。これなら安全に倒せるな!」


 渚の方も、華麗に避けて切り下ろし。

 鮮やかだ。


 渚「ふぅ~。お肉でないねー」


 翔「いやまだ二匹だしな。10回に一回でればいいほうみたいだから、運が良くて2だろうな。でもこれで1から5は、単体相手なら対応できるとわかったから、気が楽だな!あとはどんどんいろんな倒しかたを練習していこう!」


 渚「了解でーす!」


 うまく言ってるから、足取りも軽い。

 二時間で休憩をとると決めてるので、さらにペースアップした。

 戦いかたも、突き。払い。切る。の三つを練習してく。

 ちょっとモンスターの頻度が少ないから、素振りも交えながらだし、スライムとキラーハーブを無視せずに刈っていく。


 後半の一時間は10体と戦えて、

 渚「お肉、獲ったどーー!」

 とお肉もゲットできた。


 AM6:30 一度帰宅して休憩を挟むことに。


 翔「ふぅ~、気づかなかったけど、結構疲れてるな」


 渚「はぁーほんとだねー!休憩はどれくらいとるの?」


 翔「15分かな。ドロップ品おいて、トイレとストレッチをしてコーヒーブレイクしたら、また向かう感じかな」


 渚「オッケイです!平日はこのあと学校だよね?」


 翔「そうなんだけど、朝がこの時間帯から活動に無理がないなら、もう一時間だけ潜れるんだよなー。一時間だから強度もあげた訓練できるし」


 渚「そうしよ!そのあとしっかりマッサージする時間もあるし!」


 翔「ならそうしよっか!」


 ちなみにダンジョン内では、尿意何かはわかないが、からになったりはしない。

 なので、行けるのであれば、外に出たときはいっておいた方がいい。

 たった30分でもしっかりとケアをしたらかなり疲労は回復するのはもはや経験済だから、振動を当てたり、背筋を伸ばしたりしてる。


 ファーストアタックは成功だな!このまま初日を成功に持っていこう!


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