第5話 ウォーキングだよ

 その日の夜から探索者活動はスタートした。、


 翔「イタタタ!ギブギブ!ゆっくりーー!」


 渚「からだ固すぎだよ?運動も出来るのにしてこなかったからいけないの!はい!息はいて!ひっひっふー。ひっひっふー!」


 翔「それはラマーズ法だ!出産ちゃうわ。ボケ?マジ?分かりにくい!」


 渚「あれ?柔軟のときは?」


 翔「息をゆっくりはいてーだってばよ!それと反動はよくない!!じわじわやって少し痛いくらいのところでキープだ!!」


 渚「冗談だって!!よし!お兄ちゃんは完全な運動不足だから、この家にある通販グッツを使い倒すからね!」


 まずは、俺の肉体改造。いや確かに不足ぎみだが一般平均だよ?

 身体を作ってかないと怪我にも繋がるし、そもそも結果も残せない。

 まずは筋トレ。調べた結果、まだまだ成長期な俺たちに向いてるのは体幹とインナーマッスルと動体視力の強化と柔軟性を鍛えるのがいいとなった。それで、今してるのは柔軟性の向上、ではなくてただの準備運動。柔軟は風呂上がりがいいみたいだしな。

 で、渚がこんなことを言い出したわけ!


 渚「まずは、こちらの商品。家の中ではこのスリッパを履いてもらいます!!これは履くだけで体幹が鍛えられます。同系統のもので、インソールがあるから、靴や学校の上履きにも入れます。リラックス出来るのは、お風呂上がりからだけね。ソファーと寝室のみは寛ぎでスリッパもこちらにします!」


 普段から鍛えると言うわけか。なるほどな。探索中は危険があるから疲れ軽減のインソールで、それ以外は常にトレーニングなわけね。


 渚「それ以外にも、ここの家には買ったけど使われてないものがまだまだあります。続いての商品はこちら!バランスクッション!これはイスに置くだけ!しかも、学校でも使えるからなおお得!」


 わーお。本当に鍛える気満々だな!


 渚「バランスクッションは合計6個しかないから学校用で2を使って、残りは4。どう考えても足らないから、背もたれのなくてもいいのはバランスボールに置き換えよう!それとストレッチにはこちらの商品!なんか姿勢を強制してくれるだけじゃなくて、振動でほぐしたりもしてくれるみたいだよ!で、肩にあてたりとか腰にあてたりするようのもある!これは四つね。それとチューブがいっぱい。で、これはストレッチようにして、こっちのはさ、トレーニング用でスポーツ選手みたいに、剣につけて素振りする感じにして、残りので、制服を改造して、常にトレーニングできるようにします!!あそこは女子でもパンツスタイルもあるしね!ジャージもそうしようかな。あー違うや。インナーをそうしたらいいんだ!この最先端科学のやつを、マネしよっと。部屋着もパジャマ以外はそうするからね!」


 翔「お任せします!」


 まぁズボラな俺にはちょうどいいな


 渚「最初はこのくらいかな。あとは私たちの成長で難易度をあげてく感じだね」


 これ以上の難易度とはいったい、、、。

 まあでも生活してるだけで鍛えれるのは嬉しいな。助かりますよほんと。


 そのあとも、トレーニングをして、風呂にはいって、ストレッチをして、ギャアギャア喚きながらも一日が終了した。


 で明けて翌朝。


 渚「おはー!起きれたね!」


 翔「生活がかかってるからね」


 などと言って二人で顔を洗う。それと、マウスウォッシュ。歯を磨くのは食後だ。

 現在の時刻は5時。

 睡眠時間は6時間なんだけど、眠りが深かったのかぱっちりだ。前は寝る直前までパソコンやデバイスをいじってたから寝付きも悪かったしな。風呂に入って柔軟をして、あとは、飲み物を変えた。

 まあ通販思考だった両親達の遺品で、さらに定期購入だった上に、解約が遅れた大量のプロテイン。いや、消耗品系は案外残ってる。助かるな。

 で、俺が好きなコーヒー。


 渚はアレンジしてくれたわけ。

 もともとうちは午前は緑茶、午後は麦茶ではあったんだけど、俺はコーヒーを夜も飲んでた。これに関しては男性陣はすべてだ。

 いくら健康志向でも、それくらいは気にしない。

 でもこれからは夜にカフェインをとるのはダメと言うことで、かなり濃い麦茶を作る。

 これに牛乳で割ったプロテイン。、、、なんと麦茶に投入した。


 翔「ま、マジですか?」


 渚「あうと思ったんだよね~!お金ができたらタンポポコーヒーとかにするけど今はこれで我慢して」


 翔「、、、あれ?優しいミルクコーヒーみたいでいいなこれ!!ありがとう!」


 これが意外や意外。まったりタイムにちょうどいい感じなわけ。

 何て事がいい影響になったのか、目覚めから快調だ。


 翔「え?朝はこんなに豪華なの?大変じゃない?」


 渚「いや、このシリアルは作りおきするからミルクかけるだけだし、このドリンクは水で割るだけだしね。だからトースト焼いただけ。で食後はお兄ちゃんはこのコーヒーかな。私のはこっち。」


 翔「なんか豪華になってるよな?」


 渚「それは勘違いだよ!家はもともと和食だったからこの鮮やかな感じが豪華に見えるだけだよ。一つの食事だと和食のが栄養は取りやすいんだけどさ、こうやって、時短で作るのも食べるのも短くとなるとこっちのがいいかなと。ちなみにこのクオリティーは手作りになるけど、たぶん維持できるよ!」


 翔「そうなの?買い置きがあるからじゃなくて?」


 渚「手間をお金で買ってる感じだよ!あとは抽出とかは出来ないから食べなきゃいけない量が増えるけど、私たちには都合がいいかな!栄養は変わんなくても満足度は増えるしさ!服とかで削った分をからだ作りに投資するの!」


 翔「おしゃれもしていいんだぞ?」


 渚「ありがとね!でもその頃には普通にお金に余裕があると思うし、、あっならわがままいってもいい?」


 翔「どうぞどうぞ」


 渚「服とかはいいんだけどさ、ケアだけは維持したいかな。着るものとか身に付けるもの、そう言うのはいいんだけどさ、お肌とか、髪とかはちゃんと綺麗を保ちたい!これはお兄ちゃんもだからね!あっ高いのじゃなくて選ばせてほしいかなって。」


 翔「全然いいよ!」


 渚「ありがとう!私たちは化粧なしで、勝負してこ!と言うことで、ヘアカットやセット、眉毛や爪の手入れも覚えてもらうからね!それと、毛もつるつるにしてもらうからね!流石に処理は各自だけど」


 翔「ふぇ?どこまで?」


 渚「全部だよ!髪の毛と、眉毛とまつ毛以外は綺麗にしてもらいます!汗で蒸れるだけなので不衛生です!」


 あれ?俺たちが目指すのは探索者でアイドルではないような。

 まぁ別にこだわりないからいいけどさ。

 ん?待てよ?


 翔「ヘアーカットやセットって俺が渚のやるの?」


 渚「当たり前!美容院代は高いの!」


 翔「が、頑張ります」


 うそーん。一番ハードじゃないか~。


 渚「じゃあ、食べ終わったことだし、一息ついたら、歯を磨いて着替えたら、ストレッチして、今日はウォーキングだよ!ロング、デイスタンス、ウォーク!昨日ので私は理解しました!兄は運動不足であると!まずは運動を継続できる身体作りから始めます!」


 え?そうなの?


 翔「よろしくお願いします。」


 俺たちは食事を済ませ、ジャージに着替えてストレッチをした。

 リュックも装備。それとシリアルとドリンクも。


 翔「今日のコースは?」


 渚「えっと、川沿いを歩いて、山に上って帰ってくる感じかな。高低差ありの40㌔だけど完走が目標だよ!」


 山といってもハイキングコースみたいな低い山だが、、、ハードすぎね?


 渚「今日は歩くだけだからね!ダンジョンに潜るときはここに装備品も加わるし、走ったり、戦ったり!初心者の私たちが常に自給1000円を維持するには、最初の一時間も最後の一時間も同じパフォーマンスをしないといけないから!それができなかったら短期で多額を稼がないといけなくなる!でもそれは命の危険があるから!なのでスタミナをとにかくつけるよ!はい!シュッパーツ!」


 深い!考えが深い!

 俺みたいに自給で1000円なら時間を確保しなきゃな~しか考えてない兄ですまない。よし。話を聞いただけでかなりハードなのはわかった。恐らくこの運動も俺にとっては厳しいだろう。だが続ける。やめないからな!

 デバイスウォッチを見つけて、これをしてる。昔で言うところのスマートウォッチだな。

 それと、デバイスゴーグル。これははんとうめいの動画やなんかが見れる。

 ちなみに一般道は禁止だけど、ウォーキングロードとかは使える。

 それで何の動画を見ながら歩いているかと言うと、探索者基礎知識編だ。

 これは探索者になったものが見ることを義務づけられてる。基礎と応用で、6時間にも及ぶ。まさにこの時間にふさわしい動画だな。

 しかも、景色も見れるし、会話をしながらも見れる。

 それに脳波の測定もしてるらしくて、頭には言ってないところは、自動で纏めてくれる。しゅごい。

 あれ?もしかして、父親たちが俺たちを成長させるために、追い込んだ?なくはないかもな。


 翔「この体幹の鍛えるインソールが家のなかだとわからなかったけど、こうして歩くと、効きを感じるな」


 渚「そだねー!今浜だ全然大丈夫だけど、復路はヤバイかもね。お兄ちゃんよりは運動してただけで、これはちょっとハードすぎたかもねー」


 翔「まぁ背水の陣で望んだわけだし、根性で帰るしかないよな!今日がよくても明日がヤバイかもね」


 渚「出来たらこの七日間の間は続けたいんだよねー。もっと言うと、10分に一回はダッシュを取り入れたり。あとは歩きじゃなくてジョギングの期間をもうけたりね。ただオーバーワークはダメだから、途中途中でしっかりとストレッチをしてくいくかんじかな!」


 実践を意識してるけど、身体造りが目的だしな。


 初めはほんとに快適。

 翔「このままなはずはないけど、今のところ快適だな」


 渚「ほんとだね!この時間に外に出ることなかったから新鮮だし気持ちいいよ!あっそうそう!飴ちゃんなめといて!あとは、水分補給はアラームがなるから、喉が乾いてなくてもとってね!ダンジョンはトイレは必要ない不思議空間みたいだけど、毎回トイレ休憩は挟もっか!」


 翔「なんかすんごく便りになるな!助かるよ!あっこれ知らなかったな~。なんかダンジョンは低層は日替わりなんだって!5層までは毎日変わるみたいだから、毎日楽しめそうだな」


 渚「ほんとだね!それに自然豊かな空間なんだって!!モンスターはいるけど。このランクが上がるところにあるポータル?とか言うので帰れるみたいだから、朝練で1から5層までは毎日踏破出来るようにしたいよね!」


 渚ちゃんさーものすごくハードル高いよそれ?


 翔「一年F.二年でE.三年でDになってたいよな。法改正の前でもほんの少ししかいないけど。」


 渚「いけるいける!!だいたい、探専の教育プログラム見たけどぬるいよ?本気?ってなるな。そもそも、いろんな情報があるのに、旧時代のプログラムだよ。このゴーグルがあったら、お兄ちゃんのプログラミングが火を吹くよ!」


 翔「おらが?」


 渚「何で田舎の人になったのよ。じゃなくて、お兄ちゃんは達人の動きを動画にするんだよね?そんなことができるなら、モンスターの動きも再現できるし、なんなら対処も再現でこるんじゃないの?」


 翔「んんー、、、できちゃうな!」


 渚「でね、このゴーグルは、映像を見てるかどうか外の人には分からないわけ!このゴーグルがそもそも有名すぎるからこのままじゃダメだけどさ、、、眼鏡に出来ないかな?」


 翔「デバイスグラスってのがあるけど、、出来るな!これは、探索ようにもいいかもそれない!ナイスなアイディアだ!」


 渚「私たちが最先端になっちゃうね!」


 翔「ほんとだな。探索者界隈ってファンタジーに引っ張られ過ぎてないか?」


 渚「異世界にいっちゃう系のやつでしょ?私もそう思う。武器が効かなかったのと、その道に詳しい人たちが切り開いたからねー。あと魔法。そう言えば魔法はどれを覚えるの?」


 翔「覚えますとも。基礎魔法を六個すべて覚える!」


 そうなんだよ。実は人類は武器を奪ったからだけじゃなくて、魔法を授かった!ただこれはダンジョン外だと殺傷能力はゼロに等しい。

 これもね、色々とあって、6ポイントあるみたいなんだけどさ、基本は1つか2つに特化させるわけ。

 それでもショボいけども。ならなにがいいかって言うと、10層毎にボスがいてスキルオーブが手にはいる。、ちゃんとした技を覚えれるんだけど、技にランクがあって、例えば火魔法を6ポイント突っ込むと、火魔法★6になって、スキルにもファイアーボール★2見たいにランクがあるから、同等までしか覚えられない分けだ。もちろん多く使ってれば★の数は増やせるんだけど簡単に上がるものじゃない。で、攻撃魔法として使えるのは★2からで、さらに言えば手にはいるスキルオーブは必ず自分が習得してる属性になる。

 要するに★1が六個の場合、どれも覚えることができない訳だ。

 この事がわかってからはそんな選択をする人は皆無。生きてる人だと居ないだろうな。


 渚「えーーー!それはどうなの?」


 翔「賭けかな。才能はあとから伸ばすことは出来ても増やせないから。それこそ10層までなんて魔法がなくても行ける。と言うかだよ?お手軽だからみんなスキルで技を覚えるけどさ、自力習得できるんじゃないのかなって思うわけですよ。」


 渚「んー可能性がない訳じゃないけどどうなんだろうね」


 翔「そもそもちゃんと魔法を鍛えてる人って見たことないんだけど。当てる練習とかは見るけど、ダンジョンの外で魔法が禁止されてるわけでもないのに」


 渚「単純に電化製品のが便利だからかな」


 翔「まさにその通りだと思う。魔法よりも家電の方が便利な世の中な訳だ。でも、魔法で再現できないかと言われたら、、、、出来る訳だ。なので俺は魔法で生活しようと思う。渚は王道でいくのがいいかなとおもうよ」


 渚「今の話を聞いて、私もその道を選ぶよ!」


 翔「えーーーー!」


 渚「何で驚くの?二人で教えあったらいいじゃんか~ー」


 いや驚くでしょ。二人してアウトローだなまったく。まぁスキルオーブもとっとけばいいしな。

 使うかどうかは別にして。

 高値で売れるのは間違いないからな。

 でもって俺たちは全種類揃えれるからな。


 ウォーキングは10㌔地点までは快適だった。そこから少しずつしんどくなってきたが、今は15㌔地点まではきた。

 ここからが山登りコースだな。

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