第2話 生活の見直し

 翔「なあ、どのみち、7日はダンジョンに入れないわけだしさ、改めて全てを見直さないか?ぶっちゃけ俺たちはほとんど知らないからな」


 渚「だね!何から始める?」


 母親と渚の父親が亡くなったときは、俺たちが特に何かをすることはなかったし、急死と言うわけでもない。

 それぞれが準備をしていた。

 旅立つ側も見送る側も。だが今回の事は寝耳に水だった。

 そもそもが中学卒業したての奴が、どこと何を契約してるかなんて知らない。デバイスの契約内容くらいだよ。連れとうちの保険はさー何て話し一度もしたこともないし聞いたこともない。

 とはいっても、二家族が生活してて、オープンに話し合うので、まったく知らないかと言われればそうでもないが。


 翔「まずは色んな契約の類いや不要なものを整理しよう!売れるものは売ろう。必要かそうでないかは話し合いで決める。どうだ?」


 渚「そだね!何からする?」


 やらなきゃいけないのは節約だ。それと不要な契約の解除。

 環境が変わるから必ずチェックしなくちゃいけない。


 翔「そうだなーまず通信関係かな。今入ってるのは解約して、この格安のにしたらどうかな?」


 渚「そうだね!いいと思うよ!家の回線はどうする?」


 翔「それは残そう。高速だし定額だし。デバイスで制限する分、家では快適な環境にしたほうがいいと思う。固定電話は解約で父さんのデバイスに新しく番号を作って家庭用にしたらどうかな?」


 渚「そだね!あっでも家電なんているかな?」


 翔「なくてもできるけど、俺たちはパーティーを組んで活動するし、個人事業主になるから会社としての番号があった方がいいと思うんだよ。受け専にすればいいし。で渚は母さんのやつを持つ。そしたら仕事のやつは共有できるしな」


 渚「そんなことできるんだね!」


 この辺りはダンジョンが発生する前にようやく並んだ感じだ。

 スマホと呼ばれてたのがデバイスに変わっただけで、あとは昔と変わらないそうだ。



 翔「時代は進んだな!まぁ通信系はそれだけでいいかな。お金に余裕が出てきて必要なら拡張するか、持ち運びの通信器買えばいいだろうな。、、まあ学校もダンジョンもフリー通信あるから、俺らのメインの活動場所で困ることはないかな。じゃあ通信関係はこれだけだな。次は保険とかだけど、まあこれはオール解約だな。俺たちのも探索者になるから使えないし。」


 渚「でも、保険は入らないと不味いよね?」


 翔「家の災害保険は残すか?医療保険はこれがいいかなと思う。生命保険は」


 渚「お兄ちゃんは生命保険はなしでいいよ。残されて生きてくつもりないから」


 まぁその気持ちは分かる。俺も同じだ。今普通にして要られるのはまず間違いなく渚の存在があるからだ。



 翔「、、、分かった。なしだな。、、、よし!きり変える!この自動車保険やらなんやらは当人いなくなったら自動で切れてほしいよな。じゃあ保険関係はこれで言いとしてだな、電気、水道だけども、これを期に魔道装置を導入したらどうかなって。導入無料だし、魔石をそのまま使えばかなり節約になる!水道代は今までと変わらんが。」


 渚「導入!!あっでも家は太陽光発電してるよね?どうなるの?」


 翔「それなんだけどさ、発電した電力はそのまま売って、さらに魔石で売るよりも電力に変えて売った方が、弱いモンスターの場合はお得っぽいぞ?」


 渚「えっそんなことあるの?」


 翔「あーこの装置がばかでかいんだな。発電所になってくれってことだろ。魔石を売っても送料も手間もかかるし。その辺が不要になるからかな。」


 渚「でも大きいってどれくらい?」


 翔「ガレージサイズだな。どうする?」


 渚「もちろん導入だよ!」


 これは最近始まった国の制度。発電を個人にまで落としこむ。

 この辺りは昔の失敗を繰り返さないためらしいがよくわからないけど、俺たちにとってはプラスにしかならないからな。


 翔「ならこれも決定だな!あとはここを事務所に申請し直しすればいいな。契約関係はこんなところか?」


 渚「そうだね。これって経費とか計算しないとダメだよね?」


 翔「俺らは探索者だから収入にたいしての税金はかからないんだけど、まあ、何かあってもめんどくさいし、その辺りは俺が得意だから任せてくれ!と言うか、基本デバイス払いにしてくれたらいいから。個人の私物だけは個人のデバイスで。一旦10万ずつにしとく。学校のもここから使ってね。今後の月のお小遣いは実際に活動してからだな。」


 この辺りの事は調べた。知らないと言うのはそれだけで弱者だ。


 渚「私なんかより全然頼りになるじゃん!!他はどうするの?」


 昔のままじゃいられないよ。俺がこの家を、渚を守るんだから。


 翔「とりあえず、見直せるのは見直したけど、あとは遺品の整理だよなー。どうすんべ」


 渚「んーどうしようね。、デイスプレイにしてあげる?形見といっても今の私たちには似合わないし。時計とかおしゃれに飾ってさ。アクセサリーとかも。それ以外は、売るなり捨てるなりしちゃおうよ。寂しいけど、最低限のものだけで、あとは私たちの思い出にしまっておこうよ。」


 翔「そうしよっか。で実際のところ何が該当するんだ?」


 渚「、、、えっと、靴、時計、アクセサリー、バックに食器くらい?」


 翔「だと思う。服とかはブランド品は売ってしまうか。ジーンズとかはのこそていいと思うけど。家具はどうする?」


 渚「処分するなら私たちのだよね。両親の寝室を私たちがそれぞれ受け継ごうよ。私たちの今の部屋は空き部屋にして、まあ、客間的な?どのみち大半はリビングだし。」


 翔「そうするか。いつも思うけど、この家、二世帯住宅とは言いがたいよな。リビングもダイニングもキッチンもひとつだしさ。かと思えば風呂は二つだし。家族別と言うより男女別になってたしな。小学生になるまでこれが普通だと思ってたからな~。」


 渚「まぁでもそのお陰で兄妹になってもすんなりいけたんだしさ。」


 少しでもお金になるものは変えるのもありだけど、親達が集めたものは値が上がるものがほとんどだ。ぎりぎりになるまではてを出さない。

 今の俺たちにはまだ早いが、似合うときが来るかもしれない。

 いや、これくらいのものを身に付けても自然な感じが出せる男に俺もなる。


 翔「それもそうだな。まぁ家庭訪問はもれなく驚いてたな。っとあとは一日のスケジュールよな。どしますか?」


 渚「平日最低5000円の土日は1万は稼がないといけないよね。学校が15時30に終わるけど、16時22時で6000円になるよ?」


 翔「朝もさ、6時に起きて一時間潜るのはどうかな?これは技術と体力をつけるのがメインで、稼ぎはそこまで気にしない。で午後は16時22時でどう?まてよ、ハードすぎない?」


 体を壊してしまっては意味がない。甲子園の常連校ならそれくらいのスケジュールかもしれないが、家事もあるしな。全てを注ぐなんてのは無理な話だ。



 渚「21時上がりにしよっか。」


 翔「その方がいいね。なんなら20時でもいいと思う。体壊してもダメだし。それに家事もあるしなんなら弁当とかも作らないと」


 渚「あっ探索記録も出さなきゃだし、勉強はどしよっか」


 翔「勉強の成績もよくないと探索許可がでないからな~。思った以上にハードだな。くっそ、あのハイエナどものせいで。。ふぅー。ごめん。クールにいかなきゃな。絶対に許しはしないけどな」


 怒りや憎しみは表に出したらダメだ。


 渚「でも証拠の映像もあるんだし出したら勝ち目もあるんじゃない?」


 翔「いや、お金は取り戻せないし、揉み消されるだけだ。誰も見向きもしないかもしれない。俺たちが影響力をつけて、世間が誰も無視できない状況を作る。そのタイミングで世に出す。結局あいつらのやったことは犯罪とは言い難い。俺らが判断能力がなかった。だがその状況に漬け込んだことは許さない。」


 そう。悔しいが俺たちが口車にのせられた。いや、なにも考えれてなかったんだ。

 だから悪いのは俺たちかもしれないが、騙す方と騙される方どちらが悪いかなんて、騙す方に決まってんだろってはなし。


 渚「その気持ちは同じだけどさ、探索者志望じゃなかった私たちじゃ何か戦略を練らないとダメだよね?」


 翔「ここは親父たちに力を借りよう。俺たちも動画配信をする。ただ、親父たちみたいな企画したりとかってのは正直難しい。飾らない姿を見せてくしかないかな。まぁタイトルは高校生二人で探索者になってみたとかで。いや高校生探索者兄妹の奮闘気かな。チャンネル名は探索者兄妹で。高校卒業しても使えるようにね。」


 親父たちがクリエイターもやってたけど、事務所の方ね。

 だが機材は一通りあるわけだから利用しないともったいない。


 渚「みんな見てくれるかな?」


 翔「俺たちがrankをあげてけば必ず。ただそれだけじゃ弱い。二人きりでってのと高校生ってところを全面に出していこうと思うけど、ある意味同情を誘うような感じだけど嫌か?」


 渚「まったく。ただの事実だからね。ただ自分達から誘うのはしたくないな」


 翔「だな!辛いですとかそう言ったのは出さないどこう。そこは俺たちのプライベートな部分だしね。」


 渚「で、実際はどんなことを上げてくの?ほんとにただの冒険者活動だけ?」


 よく聞いてくれた。渚は否定するからあえて言わないが、渚は普通に美少女だ。俺はモブ。渚を全面に出していこうと言うわけだが、それは伝えない。女子高生の手料理。需要があると思うがどうだろか。


 翔「いや、まず渚の得意なものとして、料理があるだろ?で、俺たちには絶対的に時間とお金が少ない。だけど、成長期だしそこは削ったらダメなところだ。で可能かどうかはおいといて、まず間違いなく自炊のが安いわけだから自炊するんだけど、行動食費の開発なんてどうだろうか。あと、この冷凍庫を活かして、冷凍の作りおきにしておくとか。どうかな?俺が料理あんまりしないから毎回作る方が楽なのかわからないけど。」


 渚「絶対にまとめて作った方が楽だよ!行動食かー。ちょっと調べるね。あっシリアルバーならミルクかければ朝食にもできるしいいかも!あとはあまい系としょっぱい系。これなら時短になるし、夕食が遅くなっても、持つし、栄養もとれるね。値段も作るとかなり安く行けるね!」


 翔「てか、思った以上にいろんなの冷凍できるんだな。レンジとのコンボは最強だな。これで、肉がコンスタントにとれたらかなり食費も押さえれるけど豪華なメニューだよな。」


 渚「ほんとだね!家庭菜園も挑戦しようよ!」


 おっいいね。なかなか土いじりしてる女の子は少ないからね。


 翔「いいねそれ!ならこれで1つメインコンテンツは出来たな!渚はなにか思い付くか?」


 渚「うーん、私たちって武術習ってないけどどうする?」


 翔「確かに!!どこかに通うか?いやそんなお金も時間もないな。、、、やっぱり動画に頼るか?あっ待てよ。動画に頼るのはありなんだけどさ、良さそうな人のやつくっつけて、新しい流派にしちゃうとか?この繋ぎをうまくすればいいわけだし、それはたぶんできる。ようは、パクりだけど。こうしてこうして、で俺たちの身体に合わせたCGにして、それこそ朝はこれの訓練。動画もとりながらやれば効率もよくなるしね」


 渚「でも、その動きが正しい動きかってわかんなくない?」


 翔「それは、、、すごいと思ったのを取り入れたらよくないか?」


 渚「それもそうね」


 まあ、凄いものって初心者が見てもすごい。達人と言われる人たちはまた別なのかもしれないけど、最強を目指すわけじゃないからな。

 よし、これからの事は決まったわけだ。ならあとは準備だな。




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