第6話
「なんつーか……ボロボロになってるな」
「ああ。まるで戦いでもしてきたみたいだ」
「しかもこの傷は……」
「刀傷に見えるな」
「それに、よく見ると血痕もあるぞ」
「本当だ……」
「どうする?」
「どうするも何も……とりあえず、手当てをしてやろう」
「そうね。このまま放っておく訳にもいかないし」
「よし。そうと決まれば早く運ぶぞ」
「ああ。分かってるよ」
「ふぅ……これでひとまずは安心か……」
「そうだな」
「だが、博士さんはどうしてあんな姿になっていたんだ?」
「それが分かれば苦労しないよ」
「それもそうだな……」
「それよりも、今はどうやってこの場を切り抜けるかを考えないとな」
「うむ。そうだな」
「俺達がこの国に来た目的は博士さんの捜索だろ?」
「ああ。そうだな」
「だったら、ここで時間を潰していて良いはずがない」
「確かにそうだな……」
「どうすれば……」
「なあ、一つ提案があるんだが良いか?」
「ん?何だ?」
「博士さんが起きるまで、この国を見て回るというのはどうだろう?」
「それは名案かもしれないけど……」
「危険じゃないのか?」
「まあ、そう言われると思ったよ」
「そこでだ。この国にはロボットがいるんだろ?」
「ああ。確か居たはずだ」
「なら、そのロボに案内してもらえないか頼んでみようと思うんだが、どうかな?」
「成程……それはいい考えかもしれん」
「そうね。私も賛成だわ」
「というわけだ。頼むぜ?博士さん」
(まあ、起きていたとしても話せないんだけどな)
「ん?ここは……」
「目が覚めたかい?」
「君は……誰だい?」
「私はアイリス。博士の助手をしている者です」
「助手……?そういえば、博士さんはどこに居るんだい?」
「博士なら隣の部屋で休んでいる所ですよ」
「そうなのか……ありがとう。教えてくれて」
「いえいえ。困った時はお互い様ですから」
「本当に助かったよ」
「ところで、貴方はどうしてあんな場所に倒れていたんですか?」
「実は…」
「そんな事が……では、あの音はそのロボットが出した物だったのですね?」
「多分そうだと思います」
「一体何故そんな事をしたんでしょうか……?」
「分かりません……でも、彼は何かを必死に守っていたような気がします」
「守る……ですか」
「はい。もしかしたら、大事な人なんじゃないかなって思うんですよね」
「なるほど……ちなみに、貴方はこの国の人間ではないのですよね?」
「ええ。そうですよ」
「それでしたら、もうすぐお昼になりますし、一緒にご飯を食べに行きましょう」
「えっ
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