第5話
「え?誰だ?」
「貴様等!怪しい奴め!大人しく捕まるんだな!」
「おいおい。いきなり現れて何を言ってるんだコイツは……」
「とにかく、銃を捨てて両手を上げるんだ!」
「断ると言ったら?」
「撃つ!撃ってやる!」
「分かった。降参だ」
「な、なんでそんな簡単に諦めちまうんだよ!?」
「だって仕方がないじゃないか」
「アイツの目を見ろよ」
「目?ああ……確かに……」
「目が血走ってるもんな……」
「さあ!早く武器を捨てろ!」
「ほれ。これでいいか?」
「よし!そのままゆっくりとこっちへ来い!」
「はいよっと」
「さて……次は君だ。覚悟は出来ているんだろうな?」
「はぁ……なんでこうなったのかしら……」
「ええい!抵抗するな!」
「はいはい。分かりましたよ……」
「くっ……なんて強情な奴なんだ……」
「もう面倒臭いから全員気絶させちゃってよ」
「は、はいっ!」
「ふう。やっと終わったか……」
「まったく。酷い目に遭ったぜ……」
「お疲れ様」「お前もな」
「とりあえず、あのロボットを調べるとするか」
「ああ。そうしよう」
「でも、どこを調べればいいんだ?」
「うーん……頭部かな?」
「よし。早速調べてみるぞ」
「了解した」
「ここをこうして……ここを押したら開くはずだけど……」カチッ
『あ、開いた!』
『おお!すげぇじゃん博士さん!』
「ん?」『どうした?』
「おい。誰か来るぞ」
「え?まさか……」
「博士殿ー!どこに居るんですかー!?」
「どうやら……知り合いみたいだな」
「良かった。無事だったんだね」
「ああ。何とかな」
「そっか。それは本当によかった」
「それで、他の二人はどうしたんだ?」
「それが……分からないんだ」
「どういう事だよ?」
「実は……」
「なるほどねぇ……」
「そういう訳なんだよ」
「じゃあ、とりあえず博士さんの家に行くとするかね」
「うん。そうだね」
「よし。そうと決まれば出発だ」
「はーい」
「博士さん。一つ聞いてもいいか?」
「ん?何だい?」
「その……ロボットの名前を教えてくれないか?」
「ああ。そういえばまだ名前を決めてなかったね」
「うむ。そう言われてみると、確かに決めていなかったな」
「じゃあ、君が付けてくれるかい?」
「俺かよ……まあいいか。そうだな……」
(どうせならカッコイイ名前がいいよな)
「よし。決めた」
「ほう。聞かせてもらおうか」
「こいつの名前は―」
「ふぅ~……着いたぜ」
「そうね。それにしても、この国は相変わらず賑やかね」
「そりゃそうだろ」
「この国には沢山の人が住んでるんだからな」
「それもそうよね」
「さて、博士さんの家に着いたし、中に入るか」
「ああ。そうするとしよう」
ガチャッ「ただい……ん?何だこの音は?」
「おい。これ、玄関に飾ってあった置物じゃないか?」
ガシャァン!!ガララララッ ドゴォオン!!!
「うおっ!び、ビックリした……」
「な、何の音だ?今のは?」
「何かが壊れるような音が聞こえたが……」
「おい。外を見てみろよ」
「ん?あれは……」
「何かしら?アレは……」
「おいおい。マジかよ……」
「一体何があったんだ……」
「さっきの音は……まさか……」
「おい!大変だ!」
「ん?どうかしたのか?」
「あそこに居るのは……博士さんじゃないか!?」
「なに!?」
「え!?ど、どうしてここに……」
「とにかく行ってみるぞ!」
「ああ!分かった!」
「おーい!大丈夫かー!」
「返事がないな……」
「もしかして……もう手遅れなのか?」
「そんな事は絶対にない!」
「きっとどこかに隠れているに違いないわ!」
「ああ。だから探し出せばいいだけだ!」
「よし。俺はこっちを探す。お前は反対側を探してくれ」
「了解だ!」
「うーん……どこに居るんだ?」
「全然見つからないぞ……」
「はぁ……疲れてきたな……」
「こんな時に水筒があればなぁ……」
「無いものねだりをしても仕方がないさ」
「それもそうだな。とりあえず、探すしかないか」
「ああ。急ごう」
「はあ……はあ……くそっ……どこに行ったんだ……」
「まったく……アイツめ……」
「見つけたら説教してやる……」
「おーい!」
「おおっ!?びっくりさせるなよ……」
「お前こそビビッてんじゃねえよ」
「別にビビッてなんかいないぞ?」
「嘘つけ。足が震えてるじゃねえか」
「これは……武者震いだ」
「はいはい。そういう事にしておくよ」
「で、お前の方は何を見つけたんだ?」
「ん?博士さんだよ」
「え?博士さんが見つかったのか?」
「ああ。ただ、気絶しているみたいだけどな」
「そうなると、家の中に居る可能性が高いな」
「よし。それじゃあ行くとするか」
「ああ。そうだな」
ガチャッ「博士さん!無事か!?」
「…………」
「な、なんだコイツ……」
「なんつーか……ボロボロになってるな」
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