第4話

「それよりも、そろそろUFOの捜索を再開しよう」


「そうだな。まだ日は高いから見つかる可能性はある筈だ」


「よし!そうと決まれば出発しよう!」


「おう!張り切って行こうぜ!」


「なあ博士さんよぉ」


「何だい?」


「ここら辺にUFOが落ちたって話は聞いたことないか?」


「うーん……残念ながら無いな……」


「そうか……仕方ない。また探すとするか」


「すまない……」


「いいって、気にすんなよ。それに謝るのはこっちの方だし」


「君……名前はなんて言うんだい?」


「名前?俺はただの一般人Aだよ」


「そうか……でも、いつか君の本当の名前を聞かせてくれないか?」


「ああ。もちろんだ。じゃあな。UFO研究家さん」


「ああ。じゃあな。一般人さん」


「あ!UFOだ!UFOが落ちてる!」


「本当か!?早速見に行くぞ!一般人さん!」


「ああ!行くぜUFO研究家さん!」


「まったく……アイツらは……」


「なあ、博士さんよぉ」


「ん?どうしたんだい?」


「UFOってなんなんだろうな?」


「うむ……僕もそれはずっと考えていた」


「どうして宇宙人が地球に来るのか?」


「なぜ宇宙人は地球に侵略してくるのか?」


「そもそも、本当に宇宙人が居るのか?」


「僕は……居ると信じている」


「根拠は?」


「僕の勘さ」


「はっはっは!面白い奴だなお前!」


「ははは。よく言われるよ」


「でも俺も同じ意見だ」


「やっぱり君もそうなんだね」


「ああ。もし居なかったとしても、それはそれで構わないと思ってる」


「何故なら、俺は自分の目で確かめるまで信じ続けるだけだから」


「うん。素晴らしい考えだと僕は思うよ」


「ありがとう。お前に褒められると嬉しいよ」


「ところで……UFOは見つかったかい?」


「いや……見当たらないな」


「そうか……」


『おい。何か聞こえないか?』


『え?何も聞えないけど……』


「なあ博士さんよ」


「なんだい?」


「俺達以外にも誰かいるみたいだ」


「え?まさか」


『おい。誰か来るぞ』


『マジで?』


「あれは……人か?」


「いや……違う。あれは……ロボットだ」


「はぁ?」


「あの形……間違いない。あれは……二足歩行型兵器だ」


「ちょっと待て。どういう事だよそれ!?」


「恐らくだが……誰かが落としたのかもしれない」


「マジかよ……」


「まずいな。このままでは攻撃される可能性が高い」


「ど、どうするんだ?」


「とりあえず隠れよう」


「ああ。分かった」


「よし。ここで様子を見るとしよう」


「お、おう……」


「しかし……一体誰がこんな物を……」


「なあ博士さん」


「何だい?」


「あのロボ……一体どこから来たんだろうな」


「うーん……分からない。だけど……あれは間違いなく人工物だ」


「じゃあ、どこかの国が秘密裏に開発したとか?」


「もしくは……宇宙からやって来た可能性もある」


「なるほどねぇ~」


「さっきの話の続きになるんだけどさ」


「ん?」


「もしも……俺達がこの世界を救ったら、どうする?」


「そりゃあ勿論……」


「当然、英雄として祭り上げられる事になるだろうな」


「マジかよ……面倒臭そうだな」


「まあまあ。そう言わずにさ」


「それに、これはチャンスでもあると思うんだ」


「どういう意味だよ?」


「君は、この世界の現状について考えた事はあるか?」


「いや。特に深く考えてはいなかったな」


「そうか。じゃあ教えよう。この国は今、危機的状況に陥っている」


「具体的に言えば、国民が飢え死にしかけている状態だな」


「そうなのか?」


「ああ。だから皆必死になって働いているんだ」


「ふーん……大変なんだな……」


「そこで!君に頼みがある!」


「ん?何だ?」


「君の力で、僕と一緒に国を救う手助けをしてくれないか?」


「別に良いけどさ……どうやって救えばいいんだよ?」


「実は、僕には夢があってね」


「どんな夢だよ?」


「それは―」


「おい。そこの二人組!動くんじゃない!」

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