第3話

馬車を村まで運び、偉いであろう少女だけを馬車の外で起こした


「うぅ…ここは!?貴方たち!何者ですか!」

「俺はコウ、見ての通り子供だ」

「僕はレイ!コウの友達だよ!」


何者だと聞かれたので俺とレイは自己紹介をする

いや、恐らくこういう事ではないのだろうが


「普通の子供?ではここは本当にキノ村、ということは…貴方達が勇者様ですか!?」

「違います」「なにそれ?」


俺達は否定する、それにこの村には勇者なんて伝承は無い、何かの勘違いではなかろうか


「いえ、貴方からは間違いなく勇者の力を感じます

貴方が勇者ですね




…レイ様!」


…なるほど神も面倒な事をしてくれる、俺の役割は勇者の御目付役か


「僕が勇者…?勇者ってなに…?」

「勇者とは魔王を打ち倒す者の事!さぁ!私と一緒に王都に行きましょう!」


それから話しを聞いているとレイは王都の魔術学園とやらに入学するらしい


俺はここでレイと別れる事は出来る

そっちの方が楽ではあるだろう


しかし俺はたったの3年とはいえ

子供時代という長い時間をレイと過ごした


故に俺はこの不安そうにしているレイを見逃す事は出来ない、だから俺は…


「俺も連れて行って下さい」


俺は、ついていく事にした


「え!?コウもついてきてくれるの!やった!」

「おう、お前を一人にはしないぞ〜」


険しい顔をしている少女

俺はその険しい顔の理由を訪ねた


「なぜあんたはそんなに渋い顔をしてるんだ?」

「…いえ、貴方は勇者についていく資格があるのだろうかと思いまして」


あぁ…なるほど

俺の能力への不安だったらしい


「それなら大丈夫だ、力は強いんでな」

「力が強い程度で…!」


なるほど、普通の子供の力が強いを想像したのか

…いや、それが普通か


「いやいや、俺の力を舐めるなよ?これでも一人で馬車を押して森を抜けたんだからな」

「…は?森を抜けた?この人数が乗った馬車を!?一人で押して!?」


驚く少女、しばらく考えた後

憤慨してこういった


「それなら証拠を見せなさい証拠を!」

「…ならあの大木を折るとか?」


そう言って俺は心を落ち着けて構え

そして拳によって大木をへし折った


「な…あ…本当に…?貴方は勇者でもない普通の人なのにどうやって…」

「…これで連れて行ってくれるか?」


驚いていた少女は直ぐに気を取り直し

俺に面と向かってこう言った


「良いでしょう、サイ王国第二王女の名にかけて、貴方を勇者と離れ離れにはさせません」

「お、おう…そうか…」


只者ではないと思っていたが王女だったという事が分かったんだが


俺はそれよりこの王女の好感度が爆増したことが怖くてあんまり驚けなかった


だがこれで俺はレイについていける事になった

好感度は…まぁラッキーだと思おう




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