ユーリ・ミカイル

 とうとうこの日が来てしまった。別に伯爵に特別な思いを抱いてるわけではないが、ソワソワしてしまう。前日もあまり眠れなかった。緊張しすぎて、朝ごはんもあまり食べられなかった。このまま家にいてもソワソワしてしまうので、早めに公園に向かった。


§  §  §

「よぉ!ももさん!」タコス屋のおっちゃんが話しかけてきた。

「おはようございます。今日もいい天気ですね。」

「なんだい!その他人行儀な挨拶!そういえば、今日だな、伯爵とやらに会える日ってのは」

「はい…なんか、緊張してきました…」

「ま、ももさんはいつも通りベンチに座ってボーっと鳩の数でも数えてな~!」

「え…はい…」いつもそんな風に見られてたのか…


 今日も風が気持ちいい、日差しだんだんと強くなってきたそろそろ本格的な夏がくる。新しい夏服買いたいなぁ。職場用の服は通販でいいや。しかし、昼頃まで時間がある…ほんとに鳩の数でも数えていようかな…


「あの、」後ろから声をかけられた。

「はい、何でしょうか。」ふりかえると伯爵がいた。初めて見た時より顔色はよくなっている。って、うわぁ顔整ってるぅ~~~~~

 彼はシルバーブロンドのセミロングを後ろで結んでいた。目は切れ長で、口は薄い唇だった。身長は私と比べると…180センチ以上はある。

「先日、助けていただいた方だとタコス屋の方に聞きまして。お礼をさせていただきたくて。」声も素敵だなぁ~…ザ伯爵ってかんじ

「お礼なんてそんな…その後体調はどうですか?」

「おかげさまで、元気になりました。今日はもう昼食はとられましたか?」

「あ、まだです…」

「では、すぐ近くにおすすめのカフェがあるのでそこでご馳走させてください。」

「あ、ありがとうございます。」こんなイケメンとお昼ご一緒させていただくとか、嬉しすぎる…えっめちゃくちゃおしゃれなカフェだったらどうしよう。

「では、いきましょうか。お名前は何とお呼びしたらよろしいですか?」

「あ、私は百々モモ・ルマルシャルです。モモって呼んでください。あの、貴方のお名前は?」

「僕は、ユーリ・ミカイルです。ユーリとお呼びください。」ニコリと笑った彼の笑顔もまた素敵だった。

初対面の人と何話せばいいんだろう…緊張する…おしゃれなカフェだったらどうしよう…

不安でいっぱいだった。

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紅茶と蜂蜜 三日月 椿咲 @guilty_rody

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