第516話 贈り物が決定
千佳さん【これって……バルーンブーケじゃん】
俺【そうだよ】
やっぱり千佳さんは知っているのか。
千佳さんだけでなく、他の女性陣も知ってそうだな。
正直俺は、このバルーンブーケというものがあるのをついさっき知った。
お世話になった人に贈る品の定番が花束……フラワーブーケと思っていたけど、ネットで調べるうち、今はこのフラワーブーケを贈るのも一般的になっているっぽい。
こんな機会じゃないとまず調べないことだから、これはかなり参考になる。
処分方法にしたって、風船だからしぼんだらそのまま捨てることが出来て面積も取らない。最後まで雛先輩の負担を限りなくゼロに出来る贈り物だと思い、見た瞬間に「これだ!」と叫んだのだ。
それに、花束だと、花の本数が多くなるとその分重量も比例してくるけど、風船は中に入っているのはもちろん空気だから、いくら多くても重くならない。だから雛先輩が持って帰る間に重くて腕がダルくなる心配もない。雛先輩も困ってしまうだろうから、そこまで大きなものを贈ったりはしないけどね。
一哉【へえ、こんなのがあるんだな】
健太郎【僕も知らなかったよ】
俺【俺もネットで調べて驚いたよ】
俺と同じく、男性陣は知らなかったみたいだな。
俺【それに、頼めば風船に文字を入れてくれるみたいだぞ】
一哉【確かに、この画像のバルーンブーケにも文字が入ってるな】
俺【みんな、どうかな?】
一哉と健太郎は好感触みたいだけど、女性陣はどうだろう?
自分に贈り物のセンスがあるとは思ってないけど、みんなの……特に千佳さんや杏子姉ぇのようなセンスが高くて、思ったことをはっきりと言うタイプの人に、俺の提案は通るのかがちょっと心配だった。
美奈【私はいいと思うよ】
茉子【私も賛成!】
シスターズはオッケーと。
「私もいいと思う! さすが真人」
「いやいや、ネット見てて偶然見つけただけだから」
綾奈は褒めちぎってくれるけど、多分他の人が見てもわりと簡単にバルーンブーケの画像やページにたどり着けるだろうな。
というか綾奈はこのバルーンブーケの存在は知っているんじゃないのか? なんとなくそんな気がするんだよなぁ。
そんなことを考えていたら、綾奈がさっき口にしていたのと同じ言葉を打ち込んでいた。
香織さん【私も賛成!】
千佳さん【あたしも異論はないよ】
杏子姉ぇ【私もー。というかひーちゃん先輩なら何贈っても喜んでくれそうだし】
俺もそう思う。
だけど、だからこそ心を込めた物を贈りたい。
きっとみんなもそう思ってるはずだ。
健太郎【じゃあ、姉さんへのプレゼントはバルーンブーケで決まりということでいいですか?】
みんなが健太郎のトークに同意する文字やスタンプを送り、雛先輩への贈り物は決定した。
あと問題はひとつだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます