第515話 新たな案と、トークでイチャつく夫婦
「綾奈。ごめん、おまたせ」
「全然だよ。早くみんなに伝えて」
「わかった」
俺は自分のスマホでメッセージアプリを開き、未読のトークを見る。
綾奈……決まりそうなところを止めてくれたのか。
それにみんなも俺を待ってくれて……ん?
杏子姉ぇは何言ってんだよ!? 綾奈は絶対にやらんぞ!!
とりあえず入力するか。
俺【悪い、またせた】
杏子姉ぇ【意外と早かったねマサ。もう少し遅かったらアヤちゃんもらってたのに~】
「あぅ~……」
綾奈が頬を赤らめてちょっと困ったような声を出している。どんな綾奈でも可愛い。
というか、やっぱり杏子姉ぇって綾奈が好きすぎじゃないか!?
俺【たとえ何時間待たせることになったとしても、綾奈は誰にもやらん!】
俺は「グルルル……」と唸っている犬のスタンプを貼り付けた。
「えへへ~♡」
さっきまでの困り顔から一変、綾奈は嬉しくて笑顔がふにゃふにゃになっている。非常に可愛い!
あ、綾奈がめっちゃにこにこしてハートが飛んでいる猫のスタンプを貼った。
俺も同じような犬のスタンプを貼っておこう。
一哉【待たせておいてイチャつくとは……】
千佳さん【前に電話越しでイチャついた時があったけど、まさかグループトーク内でもイチャつかれるとは思わなかったね】
香織さん【えー? 平常運転じゃない?】
茜【香織ちゃんの言う通りだね】
美奈【私も香織さんと茜ちゃんと同じこと思ってた】
茉子【はわわ……】
みんな口々にイチャついてるって言ってくるな。
確かにこれは……うん。イチャついているようにしか見えないな。
綾奈もめっちゃ赤くなってるし。
だけど、杏子姉ぇが転校してきて二日目の昼休みのあの電話はイチャついてなんかない! 大体、離れていたのにイチャつけるわけないじゃん。
そんなこと出来る人がいるのならぜひお目にかかってみたい。
健太郎【あはは。それで真人。話を戻すけど、花束以外に姉さんに贈る品は見つかったの?】
健太郎が脱線していた会話を元に戻してくれた。さすがこのグループトーク内のリーダーだ。しっかりしてるな健太郎。
俺【ああ。花束よりも日持ちするし、これならきっと雛先輩は喜んでくれると思うのが見つかったよ】
それに、これなら花束よりも処分するのは楽だと思うし、そういう側面からも雛先輩の負担は減らせると思う。
香織さん【真人君。早く教えてよ】
美奈【そうそう。もったいつけてないでさー】
俺【わかったよ。じゃあスクショした画像を載せるよ】
そう打ち込むと、俺は画像フォルダから、さっきスクショしておいた画像をトーク内に貼り付けた。
その画像には、ブーケには変わりないのだが、花束ではなく、様々な形、そして色とりどりの複数の風船をブーケにしているものが写っていた。
「真人。これって……」
「うん。フラワーブーケならぬバルーンブーケだよ」
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