第514話 時間をください!
真人にトークを見ていてほしいと頼まれた私は、みんなの意見をじっと見ていた。
そして、やっぱり花束は今月末の放課後に買いに行くというので決まりそうだった。
健太郎君【じゃあ今月の二十八日に買いに行くので決まりでいい?】
一哉君【いいんじゃないか】
茜さん【私もさんせーい】
マコちゃん【私も大丈夫です】
香織ちゃん【前日ならお花の劣化もほぼないからいいと思う】
私【みんなちょっと待って!】
私たち以外のみんなが賛成の空気の中、私はそれに割って入った。
杏子さん【どったのアヤちゃん?】
杏子さんが首を傾げているフェレットのスタンプを送ってきた。
こんなのもあるんだ! かわいいー!
……って、そうじゃないよ! みんなに理由を伝えないと。
私【えっと……真人がお花以外にいいプレゼントがないか調べてるから、ちょっと待ってほしいの】
真人を見ると、今も真剣な表情でスマホを操作している。……かっこいい!
香織ちゃん【そういえばさっきから真人君が全然トークに参加してないと思ったけど、調べものをしてたんだ】
ちぃちゃん【確か、真人は今、綾奈の家に泊まってるんだったね】
私【うん。だからみんな、もう少しだけ時間をください!】
私は必死にお願いをしている猫のスタンプを送った。
こんなことをお願いしなくても、みんなはきっと待っててくれる……そう思ったけど、お願いせずにはいられなかった。
マコちゃん【私は全然大丈夫です。真人お兄ちゃんを待ちます】
「マコちゃん……」
香織ちゃん【私も待つよ。だから真人君、いいアイデアよろしく】
美奈ちゃん【なんだかんだでお兄ちゃんはいい案を出してくれますからね】
健太郎君【僕も異論はないよ。真人が選ぶのもなら、姉さんはきっと一番喜ぶと思うから】
一哉君【今回は雛先輩に喜んでもらうのが第一だからな】
茜さん【まさと~、早く~!】
杏子さん【早くしないとアヤちゃんもらっちゃうよ~笑】
「ふえっ!?」
き、杏子さんが私を……!?
……ってダメダメ! 『笑』が付いてるし、それに私は真人のお嫁さんだもん! いくら杏子ちゃんだとしても、私は真人の隣から離れたりしないもん!
「これだ!」
杏子さんの誘惑(?)に負けないように気をしっかり持とうとした時、隣にいる真人からその一言が聞こえた。
どうやら花束に代わる贈り物が見つかったみたい。一体どんなものなんだろう?
私は少しだけドキドキ、そしてワクワクしていた。
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