第461話 スーパーで材料の買い出し

 横水君たちと別れ、ゲームセンターでプリクラやクレーンゲーム、そのほか色々なゲームをして、ゲームセンターを満喫した私たちが次に訪れたのはスーパーだ。

 ここには明日使う物を買いに来たいと、事前に杏子さんにお願いしていて、それを話したら杏子さんは二つ返事で了承してくれた。

「付き合っていただいてありがとうございます杏子さん」

「ううん。全然大丈夫だよ。それにしても来週はバレンタインか~」

 杏子さんが言ったように、ここにはチョコレートを買いに来た。このスーパーにはバレンタインの特設コーナーが設けられているけど、そのコーナーにある既に出来上がったものは買わない。

 真人はもちろん、山根君や清水君、お義兄さんや拓斗さんにも私の手作りを渡すつもり。それから友チョコも。

 あ、誕生日プレゼントをくれた横水君にもあげるべきだよね。さっき会った時に言えばよかった。

 でも過ぎてしまったものは仕方ないので、真人に横水君に連絡してもらおうかな。真人は私が横水君にチョコを渡すって言っても勘違いはしないだろうから。

「あ、あった」

 私はお目当ての市販の板チョコを見つけたので、これをぽいぽいと買い物かごに入れていく。

「いっぱい買うね」

「そうですね。渡したい人がいっぱいいますから」

 日頃お世話になっている人がいっぱいだからね。

「なんか、それだけ聞くと実はアヤちゃんって魔性の女なんじゃ……って思えてくるね」

「も、もう! 杏子さん!」

「あはは。じょーだんじょーだん」

 冗談ってわかってるからいいけどね。

「ところで杏子さんはチョコ、渡さないんですか?」

「ん? 渡すよ。手作りではないけど」

 そういえば杏子さん、料理が苦手なんだっけ。バラエティ番組でもそんなこと言ってたし、料理している動画をアップしていたけど、見事に失敗していたし……。

「誰に渡すんですか?」

「マサとかずっちとけんくん。あとは翔太さん。男の人はそれくらいかな」

「拓斗さんにはあげないんですか?」

 拓斗さんは私と同じで、杏子さんの大ファンだから、もらったら絶対に舞い上がりそう。

「あ、忘れてたや」

「あはは……」

 これでなんとか拓斗さんが涙を流さずに済みそう。

 いや、そもそも拓斗さんは杏子さんからチョコを貰えるとは思ってなさそうだからどっちみち泣きそう。

「それはそうと、他の材料も買いに行こうよアヤちゃん」

「わかりました」

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