第424話 最高のパートナー

 西蓮寺家に戻ってきて、手洗いとうがいを済ませ、最初にしたのは麻里姉ぇの部屋の掃除だ。

 使わせてもらったし、ここにお泊りしに来た時は毎回使っていいと言われた部屋。そんな部屋を使わせてもらって、はいそのままというわけにはいかない。床やベッドはもちろん、俺が全然使わなかった棚の上や鏡台など、手の届く範囲は簡単にだけど掃除をした。

 綾奈も手伝ってくれて、思ったよりも早く掃除を終わらせることが出来た。

 手伝ってくれた理由を聞くと、ただ純粋に俺の手伝いをしたかったのと、早く終わらせて俺とイチャイチャしたかったからと言っていた。

 実際に早く終わってすごく助かったんだけど、それは純粋なのかという疑問は残った。もちろんツッコミはしていない。

 そして現在、西蓮寺家で今回のお泊まり最後の食事をいただいて、綾奈の部屋で二人きりだ。

 綾奈は俺の隣に座っていて、俺を離したくないのか、しっかりと恋人繋ぎをしていて、俺の肩に自分の頭を乗せていた。

「真人。改めてになるけど本当にありがとう。最高のお誕生日にしてくれて」

「綾奈だって、俺の誕生日を最高のものにしてくれたからね。俺も頑張った甲斐があったよ」

 中でも猫カフェの抽選に当選したのが個人的に一番大きい。あれがあったからこそ、最高の思い出にすることができたと思う。

「最高の旦那様を持てて、すごく幸せだよ」

「俺だって、綾奈みたいな最高のお嫁さんがいてくれて、毎日が本当に幸せだ」

「えへへ~♡」

 綾奈は俺の胸に顔を埋めて、猫のように頬ずりしてきた。

 そんな綾奈の頭を俺は優しく撫でる。いつもの、幸せを感じるやり取りだ。

「真人、すっごくドキドキしてる」

「そりゃそうだよ」

 愛してやまないお嫁さんがこんなに甘えてきてくれて、ドキドキしないわけがない。

「綾奈」

「なぁに?」

 俺が呼びかけると、綾奈は頬擦りをやめて俺の顔をとろんとした眼差しでまっすぐ見つめてきた。

 そんな顔で見られるとさらにドキドキする。

「キス……していい?」

「もちろん♡」

 綾奈はゆっくりと目を閉じ、わずかに唇を突き出した。

 俺は綾奈の顔にゆっくりと自分の顔を近づけていき、自分の唇を優しく綾奈の唇に押し当てた。

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