第353話 4人で家へ
修斗は自分の家に帰っていったので、俺と綾奈、美奈と杏子姉ぇで俺の家に入った。
「「「ただいまー」」」
「おっじゃまっしま~す」
綾奈は『ただいま』と言うのにすっかり慣れてしまっている。お泊まりが終了したのにこうやって『ただいま』と言ってくれる。既に義実家の感覚かな?
そう思ってくれてとても嬉しく思う。
杏子姉ぇも、約十年ぶりに来たことでテンションが上がっている。
俺たちの声を聞いて母さんが出てきた。
「おかえりみんな……って、もしかして杏子ちゃん!?」
「うん。お久しぶりです良子叔母さん!」
「まぁまぁ! よく来たわね杏子ちゃん! そういえば帰ってくるってお義兄さんから聞いてたんだったわ」
「聞いてたなら事前に教えといてほしかった……」
杏子姉ぇが帰ってくるのがわかってたら、こんなに疲れることもなかったかもしれないのに……。
「真人。あんたなんでそんなに疲れた顔してるのよ?」
「いろいろあったんだよ。杏子姉ぇのおかげで」
もう説明するのも億劫だよ。
「あはは……」
綾奈も苦笑いしてるし。
教室で何があったかは説明してないけど、この短時間で杏子姉ぇの人となりがわかったみたいで、俺の疲れを察してくれたようだ。
「ところで綾奈ちゃん。お昼はどうするのかしら? もし必要なら綾奈ちゃんの分も作るけど」
「ありがとうございます。でも大丈夫です。家に帰ってから食べますから」
綾奈……お昼には帰るんだな。
冬休み中はずっと一緒にいたから……やっぱりちょっと寂しい。
「わかったわ。必要ならいつでも言ってちょうだい」
「はい。ありがとうございます良子さん」
「あら? もう『お義母さん』って言ってくれないのかしら?」
「ふぇ!? あの、その……」
「ふふっ、冗談よ。ゆっくりしていってちょうだい」
そう言って母さんはリビングに戻り、杏子姉ぇも母さんに続いた。
『ねぇねぇ聞いてよ良子叔母さん。マサってばすごいんだよ』
『あら? 何がすごいの?』
リビングから杏子姉ぇが母さんに何かを吹き込もうとしているみたいだけど、絶対ろくでもないことだとは思うけど、ここで止めに入っても結局は母さんの耳に入ってしまうし、徒労でさらに疲れそうだから俺はもう止めないことにした。
「綾奈。とりあえず部屋に行こっか?」
「うん。でもその前にうがいと手洗い、しないとね」
「だな」
風邪やインフルエンザが流行するこの時期だ。予防はしっかりとしないとな。
俺と綾奈と美奈は、しっかりとうがい、そして手洗いをし、二階の自分の部屋(綾奈は俺の部屋)へと入った。
部屋に入り、精神的に疲れきっていた俺は、カバンをベッドの上に置いてカーペットが敷かれた床にペタンと腰を下ろした。
そんな疲れた俺を見て、綾奈は膝枕をしてくれて、さらに俺の頭を優しく撫でてくれた。
こんなお嫁さんをもてて、俺は幸せ者だな。
そしてその後は楽しくおしゃべり、そしてイチャイチャした。
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