第5章 転校生は有名人!?

第340話 真人、ダイエット再開

 一月九日の火曜日……いよいよ今日から三学期が始まる。

 まだ夜も明けきらぬ午前五時に、枕元に置いていたスマホのアラームが鳴った。

「…………んぇ?」

 そのアラームに気づき、俺は眠りから醒めた。

「ん、ん~~~……ふわぁ~」

 俺は上半身だけを起こし、背伸びをするが、やはりいつもならまだ眠っている時間なので、自然と欠伸が出てしまう。

 でもよかった。なんとか起きれて。

 なぜ俺がこんな早朝にアラームをセットしていたのかというと、間違っていたからではもちろんない。

 冬休み中、筋トレや走り込みなんかもやってなかったし、ここ数日はケーキを連日で食べていたから、体重が増えていた。

 それを戻すために早朝ランニングをしようと思い、朝五時に起きるようアラームをセットしたわけだ。

「しかし……寒いな」

 真冬だから部屋は冷えきっている。Tシャツにジャージを羽織って寝ていたから、ぬくぬくな布団から出たらそりゃ寒いわ。

 俺はベッドから出て、身体を目覚めさせるために軽い柔軟をし、しっかりと防寒対策をして家を出た。

 外の空気は部屋よりももっと寒く、風も少し吹いていたから冷たいというより少し痛く感じる。

「行くか」

 じっとしていたら、いたずらに時間と体温が持っていかれるので、俺はランニングを開始した。

 どこまで行くかは考えてなかったけど……綾奈の家まで行ってみようかな。

 もちろんお邪魔するつもりはない。そんなことをしたら、いくら婚約者の家といっても非常識でしかないだろう。

 だから通り過ぎて、綾奈の家から徒歩五分くらいの所にある公園を通って戻ろうかな。


「はっ……はっ……」

 二週間以上走ってなかったから、体力が落ちている。

 そして風が冷たい。

 そんなことで音を上げるわけにはいかないので、体力の続く限りは走るつもりだ。


「はぁ……はぁ……」

 ランニングを開始して五分以上、綾奈の家の近くまでやって来た。

 やばい……しんどい。

 口から肺に入る空気がめっちゃ冷たい。

 綾奈の家の前でちょっと歩きに変えるか。


 そこから二、三分で綾奈の家の前までやって来た。リビングの明かりは付いている。

「ぜぇ……ぜぇ……」

 やっば……すごくしんどい。

 まぁ、家から歩いて十分くらいかかる距離を休まず走ったらこんなものか。

 でも、やっぱり体力は落ちてる気がするなぁ……。

「ま、仕方、ないか」

 これから少しずつスタミナを付けていって、頑張っていくしかないな。

「よし、息も整ってきたし、また走る……ん?」

 立ち止まるつもりはなかったけど、予想外に疲れて止まっていたら、西蓮寺家の玄関が開いた。

「弘樹さん」

 玄関から出てきたのは、綾奈のお父さんの弘樹さんだった。

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