第201話 綾奈の髪を乾かし、そしてイチャつく

 俺はコードをさし、ドライヤーのスイッチを入れた。ブオーっという音とともに、風が出てくる。俺は風が熱くないか自分の手で確認し、ドライヤーを綾奈の髪に向けた。

「熱くない?」

「大丈夫~」

 俺はドライヤーを左右に小刻みに揺らし、もう片方の手で綾奈の髪を優しく梳いていく。

 今まで何度も綾奈の髪に触れてきたけど、濡れていても綾奈の髪は本当にサラサラで触っていて気持ちがいい。

「ふわぁ~♡」

 どうやら綾奈も同じ気持ちのようだ。俺に髪を梳かれて、気持ちよさそうな声を出している。

「真人~、すっごく上手だね」

「本当?」

「うん♡ 毎日でもお願いしたいくらいだよ」

 昨日、俺が思ったことと全く同じ感想を言ってくれる綾奈。

「綾奈が望むなら、冬休み中は毎日してあげるよ」

「本当!? やったぁ!」

 俺が綾奈の髪を毎日乾かすことを約束すると、綾奈は両手を上げて喜んでくれた。甘えモードマックスの綾奈は喜び方もいつも以上に可愛いな。

「俺の髪もまた乾かしてくれる?」

「もちろん。乾かしあいっこしようね♡」

「ありがとう。楽しみにしてる」

「私も~」

 今は冬休み中にしか出来ないけど、将来結婚や同棲をしたら、これが毎日出来ると思うとたまらなく嬉しくなる。

 キスやハグだけじゃない、それ以外の恋人や夫婦のスキンシップを綾奈と出来ることが本当に幸せだ。

 それからも時間をかけて綾奈の髪を丁寧に乾かしていく。それと同時に、昨日同様、理性の立て直しをはかる。

 やがて髪を乾かし終えて、俺はドライヤーのスイッチを切り、ローテーブルに置いてコードを抜いた。

「……終わった?」

 わざわざ確認のために聞いてきた綾奈。その表情はどこかそわそわしている。

「終わったよ。綺麗になった」

「えへへ、ありがとう真人」

「どういたしまして」

「……もう、ちゅうしていい?」

 いちいち上目遣いで確認をとってくる綾奈。いちいち可愛くて心臓に悪い。

「いいよ。おいで」

 俺は両腕を広げ、綾奈を迎え入れる体勢をとった。

「まさと~!……ちゅ♡」

 綾奈は俺に飛びついていきなりキスをしてきた。

 俺は綾奈とキスをしながら、さっき乾かしてさらさらになった綾奈の綺麗な髪が潰れないように、綾奈が俺に覆い被さるような体勢にし、変なところを触らないよう、俺は綾奈の背中や頭に手を回すことを意識したんだけど、やっぱり意識していてもダメだったみたいで、綾奈の背中に手を回していると思ったら、いつの間にかおしりを触っていたことが何回かあった。

 俺は綾奈に謝ろうとしたのだが、唇を離すと綾奈は「ダメ~、もっと」と言って追撃をしてきて結局謝ることは出来なかった。おしりを触った時に綾奈の身体がピクっとなったから気づいているとは思うけど、やっぱり、俺だったらいいと思っていいのかな?

 そして昨日同様、お互いが満足するまで時間を忘れて唇を求め合った。その結果、お互いの唾液で唇がふやけてしまった。

 綾奈は俺の部屋を出るまで甘えモードマックスが解除されることはなかった。

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