第199話 綾奈の大胆な行動
「し、失礼します」
「っ!」
遠慮しながら俺の部屋に入ってきた綾奈。その姿を見て俺は息をのんだ。
綾奈は長袖のTシャツを着ていた。だがそのTシャツは裾が長く、綾奈の股下まである。そして、下には何も穿いていないように見え、Tシャツの裾から綾奈の生足が出ている。
いや、ちょっと待ってくれ。え? 本当に下は何も穿いてないのか?
俺の目線は綾奈の生脚に釘付けになっている。
シミやキズがひとつもない美しい脚。モデル体型の千佳さんの脚が細く長いのに対し、綾奈の足は細さや長さは千佳さんのそれより劣るけど、それでも俺から見れば十分に細いし、それでいて程よい肉付きがある。お風呂上がりということもあり、その白くて美しい足がほんのりと赤く上気していて色気が増している。
以前膝枕をしてもらった時は本当に気持ちがよかった。もちろんだけど、俺は千佳さんの脚より綾奈の脚が好きだ。脚だけでなく綾奈の全てが好きだ。
綾奈の脚から目線を上に上げると、手にはドライヤーを持っている。昨日俺の髪を乾かすために使ったドライヤーで、それを持ってきているということは、昨日言っていた、俺に髪を乾かしてもらう約束を今から実行するためだろう。
綾奈の頬は真っ赤になっている。頬だけでなく耳まで真っ赤だ。
風呂上がり、そしてさっきの美奈の発言が合わさっているからだろうな。
そして髪は少し濡れており色気がある。これまた普段見ることが出来ないため、見惚れてしまった。
「あ、あの……真人」
「あ、あぁ……ごめん。すごく綺麗で、見惚れていた」
「ふぇ!?」
俺が素直な感想を言うと、綾奈の身体はビクッと跳ね、さらに顔が赤くなった。可愛い。
「ところで、綾奈」
「な、なに?」
「し、下は何か穿いてるんだよね?」
俺は気になりすぎてそんな質問をしてしまった。顔がめっちゃ熱い。
「も、もちろんだよ!ほら」
綾奈はTシャツの裾を持ち上げて中を見せてきた。Tシャツに隠されたその奥には、白いショートパンツがあった。
このショートパンツは見たことがある。あれは確か、二学期の期末テスト期間に、俺が無意識で綾奈の家の前に行ってしまった日に綾奈が穿いていたショートパンツだ。
「安心したよ。てっきり何も穿いてなくて下着だけかと思った」
「そ、それは恥ずかしいから……」
「だよね。ごめん」
「ううん」
綾奈は首を横に振り、それからゆっくりと俺に近づき、俺の傍でぺたんと腰を下ろした。
「今のその格好って、もしかして」
「うん。真人、今日ちぃちゃんの脚を見ていたから」
やっぱりか。さっき美奈が言っていた『千佳さんのアレに対抗して』の意味が理解出来た。
「ちぃちゃんには適わないかもだけど、それでも真人には私を見てほしいから……」
「そんなことない!確かに昼は千佳さんの脚を見てしまったけど、俺は綾奈の脚のほうが好きだ。いや、脚だけじゃなくて綾奈の全部が大好きだ!」
綾奈にそんなことを言わせてしまった自分が許せなくて、カッとなった勢いのまま、とんでもないことを口走ってしまった。顔がすごく熱いし、心臓がドキドキしてる。
「へっ!? あの、えっと……わ、私も……その、真人の、旦那様の全部が、大好き」
「っ!」
綾奈も顔をさらに真っ赤にしながら、言い返してくれた。しかもわざわざ『旦那様』って言い直して。このお嫁さん俺のこと好きすぎだろ。最高に可愛い!
お互い顔を真っ赤にしながら見つめ合ったかと思ったら、綾奈が俺の左手首を掴んだ。
何をするのかと見ていたら、綾奈は俺の手を自分のほうに持っていき、そしてあろうことか、自分の太ももの付け根付近に、俺の手を置いた。
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