第148話 期末試験の結果は……!?
クリスマスプレゼントを選んだ翌週。
いよいよ期末テストの結果が貼り出される日がやってきた。
自己ベストは確実に超えている自信がある。後は十位以内にくい込んでくれたら……。
「学年十位以内に入ったら西蓮寺さんがなんでも一つ言う事を聞いてくれるんだっけか?一体何をお願いする気なんだ?」
「それは結果を見てからだな」
テスト期間中にその事を一哉と健太郎には話した。
俺がいつにも増してテスト勉強に勤しんでいるのが不思議に感じた二人が、俺に尋ねてきたからだ。
特に隠すこともないだろうと思って打ち明けた。
「ほら、ここだよ二人とも」
三人で結果が貼り出されている場所に向かうと、既に多くの生徒がいて、自分の結果を確認して一喜一憂している。
「とりあえず下から見てみるか」
俺は順位表を下位から見る。
この順位表は上位百位までの名前が出ているので、俺たち三人は名前が載る事だろう。
「あ、俺あった」
一哉が言うと、俺もすぐに一哉の名前を見つけた。
どうやら一哉は五十七位みたいだ。
「まぁ、こんなもんだろ」
一哉はこの結果にそれなりに満足しているように見える。
さて、残りは俺と健太郎の順位だ。
四十位代、三十位代と見ていくが、俺たちの名前はまだない。
上の方を見るにつれて緊張が増してくる。
二十位代に差し掛かるがまだ名前は見当たらない。
え?本当に載ってるよな?
そんな不安をよそに、十位代に目をやる。
俺たちの名前は……ない。
「っ!」
いよいよ一桁代に目をやる。すると……。
八位 中筋真人
俺の名前があった!しかも八位!
「やったぁ!!」
周囲の目を気にせず俺は声を大にして叫んだ。
マジで!?俺が八位!?
あれだけ勉強したし、雛先輩を始め、色んな人に教えてもらった、その成果が報われた瞬間だった。
「やったな真人!」
一哉が俺の背中をバシバシ叩いてくる。痛いけど嬉しいから気にしない。
「ありがとう!」
俺は忘れないうちにスマホを取り出し、自分の順位と名前を写真に収めた。
残るは健太郎だが、何位になったんだろう?
俺は自分より上の順位の名前を確認する。すると……。
一位 清水健太郎
まさかの学年首位だった。
「うおおぉぉ!マジか!?おめでとう健太郎!」
「マジで凄いって!おめでとう健太郎」
「ありがとう二人とも」
健太郎は元々頭が良かったけど、今まで学年一位は取ったことがなかった。
「千佳さんの勉強を見てて、高崎の問題も一緒に解いてたのが良かったのかも。おかげで学力アップに繋がったみたい」
「高崎はレベル高いもんな」
「ならこれは、健太郎と千佳さんが勝ち取った一位だな」
そう言うと、健太郎は照れていた。
そして健太郎も自分の名前と順位をスマホで撮って千佳さんにメッセージを送っていた。
俺も綾奈にメッセージを送ると、すぐに綾奈から返信が来た。
【おめでとう真人君!】
やっぱり綾奈に祝福されるのが一番嬉しい。
俺は【ありがとう】と返信すると、すぐさま綾奈からメッセージが来た。今度は写真付きだ。
「!」
【私も一位取ったよ!】
そんなメッセージと共に送られてきた写真には、自分の順位と名前をバックに、笑顔でピースしている綾奈が映っていた。
多分撮影してるのは千佳さんだろうな。
俺はその写真をこっそりスマホの壁紙にして、【おめでとう綾奈】と返信した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます