第147話 クリスマスデートの新たな課題
こうして三人ともクリスマスプレゼントを買った後は、ショッピングモール内にある有名カフェチェーン店に移動した。
三人とも注文した品を持って、適当な席に付いた。
しばらく雑談をした後、ちぃちゃんが私に言った。
「そういやさ、綾奈はいつまで真人を「君」付けで呼ぶの?」
「へ?」
「あーそれは私も思ってた」
確かに、言われてみれば、ちぃちゃんや茜さんは普通に真人君のことを呼び捨てにしてるのに、恋人である私だけがいまだに「君」付けで呼んでいた。
真人君以外の男の人を名前で呼ぶことなんてないから、私は全然考えてもいなかった。
「まぁ、綾奈は男子を名前で呼ばないどころか、女子にすら呼び捨てしないからね。真人を名前で「君」付けで呼ぶ。それだけでも特別感はあるけど、ちょっと弱いよね」
「うんうん。私達が呼び捨てで呼んでるから余計にね」
やっぱり私も真人君のこと、呼び捨てで呼んだ方が良いのかな?でも、ちぃちゃんが言っていたように、私は今まで誰に対しても呼び捨てで呼んだことはなかったから、色々不安になる。
「でも、私がいきなり呼び捨てで呼んだら、真人君は気分を悪くしないかな?」
それに、ちゃんと呼べるかも不安で……。
「「は?」」
ちぃちゃんと茜さんは揃って同じリアクションをした。それから二人で口を開けたままお互いを見ている。
「どう思う?センパイ」
「ん~、正直こう返されるとは思ってなかったよ」
二人は苦笑しながら何かを話している。私、何か変なこと言ったかな?
「綾奈それ本気で言ってる?」
ちぃちゃんに、信じられないような目で見られている。
「真人は喜ぶに決まってるじゃん!今まであたしに対しても呼び捨てにしてこなかった綾奈が、真人だけを呼び捨てにするって特別感がハンパないし! 驚くと思うけど、その分嬉しさが込みあげてきて間違っても不快に思われることはないから!」
「そうそう。だからイブのデートで思い切って呼び捨てで呼んでみようよ」
「わ、わかった。……頑張ります」
こうして急きょ真人君を呼び捨てにすることが決まった。
ペアペンダントと呼び捨て。今年のクリスマスイブは、色んな意味でドキドキするものになりそう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます