【2年生編6月5日スタート】中学時代、学校一の美少女に恋した俺。別々の高校に進学した好きな人本人から、ボディーガードとして一緒に下校してほしいとお願いされた
第93話(第2章エピローグ) 兄妹、そして義姉妹
第93話(第2章エピローグ) 兄妹、そして義姉妹
「二人は何のゲームしてたの?」
家に向かっている道中、美奈が俺と綾奈が遊んだゲームについて聞いてきた。
「すごろくパーティーゲームだな」
「あぁ、あれをしたんだ」
美奈はたまに俺の部屋に来て一緒にゲームをしていた。
「うん。初めてしたけど凄く楽しかったよ」
「最初のミニゲームで綾奈のプレーが面白くてな……ふふっ」
俺は最初の綾奈の珍プレーを思い出して笑ってしまった。
「もぉ~、真人君笑いすぎだよ」
俺が笑っているのを見た綾奈は頬を膨らませて抗議の声を上げた。可愛い。
「私も見たかったな~」
「三人で遊ぶ時に見られるかもしれないぞ」
「も、もうあんな失敗はやらないもん!」
綾奈はまた頬を膨らませている。
今日ゲームをして、綾奈はけっこうコツを掴んできてるので足元をすくわれないように気をつけないと。
「ところで美奈はアーケードで何をしてたんだ?」
「本屋さんに寄ってた」
今度は美奈が今まで何をしていたのか気になったので聞いてみたけど、いつもは高確率でゲーセンに行く美奈が書店に行くのは珍しいな。
「ゲーセンには行かなかったのか?」
「うん。あそこに行って毎回ゲーセンってのもどうかと思ったから本屋にした」
「何か良い本あった?」
「ん~、色んな雑誌やラノベを立ち読みしたけど、あまりこれといった本はなかったかな」
美奈は天を仰いで言った。
どうやら今回は良い本との出会いはなかったようだ。
そんな話をしていると、自宅が見えてきた。
ここで俺はある事を思いつき、スマホを取り出してメッセージを送った。
少ししてから綾奈がスカートのポケットからスマホを取り出す。
さっきメッセージを送った相手は綾奈だ。
綾奈は俺からのメッセージを見たあと口角を上げて、OKのジェスチャーをしている猫のスタンプを送ってきた。
美奈が俺たちと握っていた両手を離し、玄関のを開けて上がろうとして、
「ちょっと待った」
それを俺が制した。
「え?何?」
何で自宅に上がるのを止められたのかわからない美奈は、戸惑いの声を上げていた。
俺と綾奈が先に家の中に入る。
入る時に綾奈が「お邪魔します」と小さな声で言った。こういう細かい所も礼節を忘れない綾奈の性格は素直に尊敬する。
靴からスリッパに履き替えた俺たちは顔を合わせ、それから二人して笑顔で美奈の方を向いた。
「おかえり、美奈」
「おかえりなさい、美奈ちゃん」
俺が綾奈に送ったメッセージの内容は、二人で美奈に「おかえりを言おう」といったものだ。
それは夕方、ここに綾奈が来た時に俺がやったことだ。
今日は俺達のせいで美奈には迷惑をかけてしまったし、綾奈のことが大好きな美奈が綾奈に「おかえり」と言って貰うのは嬉しいと思い、突発的に仕掛けたのだ。
「…………っ!」
美奈は最初こそぽかんとしていたが、やがて玄関に入り、靴を脱ぎ捨てて俺たちに抱きついてきた。
「ただいま。お兄ちゃん、お義姉ちゃん。二人とも大好き!」
俺と綾奈は美奈をしっかりと抱きとめた。
「あぁ。俺もだ」
「私も、大好きだよ美奈ちゃん」
そうして俺たち三人は玄関前で笑い合った。
この光景、そしてこの時見せてくれた美奈の笑顔を、俺はずっと忘れない為にしっかりと自分の目に、そして心に刻み込んだ。
※ここからはあとがき的なコメントになります。
どうも。
「別々の高校に進学した好きな人のボディーガードと称して一緒に下校する事になった件」第2章はこれにて完結でございます。
1章のラストでついに交際をスタートさせた真人と綾奈。
お互いめちゃくちゃ好き同士で、交際スタート当日からイチャイチャしてましたがいかがでしたか?
この第2章は、大体2週間程度の内容だったのですが、それにしては濃すぎるし、付き合ったばかりで発生するはずもないイベントもあり、2人には少し申し訳なく思ったりもしてます。
2人のお互いを愛する気持ちも、2章の始まりと終わりとでは比較にならないくらい大きくなりました。あ、まだ大きくなります。
そして、この2章投稿中に色々驚くべき事がありました。
当作品のPV数、フォロワー様の急増、そしてランキングの大幅アップ。
正直、処女作でここまでいけるとは思ってなかったので素直に驚いております。
1話でも読んでいただいた皆様に感謝申し上げます。
さて、この物語はまだ続きます。
第3章では、1章から名前しか出てこなかったアイツが登場したり、真人に好意を寄せていた北内さんが再登場したりと、2章以上に濃い内容になると思います。
性格悪いキャラも出てくるので、少し胸糞悪い展開もあるかもですが、それを真人と綾奈がどうぶった切っていくのかをお楽しみいただけたらと思います。
基本的に毎日投稿を心がけておりますが、ストックが尽きてしまって毎日投稿が出来なくなってしまうかもしれません……。
3章は出来ているのですが、それでも加筆等で滞る場合がもしかしたらあるかもしれませんので、その際はご了承いただけたらと思います。
それでは、3章もお楽しみください。
水河悠でした。
(3章は当話を投稿した翌日19時よりスタートです)
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