第29話 「果てなき思い」
ミーノ達は鷹と協力し合い、柱を1個ずつ攻略して行き、今では6本目の柱に到達していた。そうこうしている間に夜になってしまったので、皆はここで休むことにした。
「鷹さん、改めてありがとうございます。」
「大丈夫だ。俺は最後まであんたらに着いていくって決めてたからな。」
鷹は少しフッみたいなイケメン顔になり、ウカは引いて、ミーノはカッコいいと思ったのであった。
「ウカはどうなんだ?」
「我はミーノの野望の手助け兼この島の統治ができればよいと思っている。」
ウカが真面目な目で話すものだから、鷹はつまんねぇ奴だな。と思ったが、気になったワードがあったから、すぐに思考を元に戻した。
「ミーノの野望って何だ?」
「私は私を作ってくれた人を探すという野望(?)があります。」
ミーノはまだ自分なりに言葉が安定しないのか、所々で?をつけるような感じで話すのである。
「ウカ、あんたなんで騙してるんだ?」
鷹の突然の爆弾発言にミーノは動揺してしまった。
「どういうこと何ですか?」
「…。」
ウカは黙ってしまった。そのことから、鷹もしまったみたいな顔になった。だが、純粋なミーノに隠し事をしているウカを少し許せなかった鷹はストレートに話した。
「ウカ、ミーノを利用しやがったな。」
「…。」
ミーノはこの現状に頭が追い付かなくなってしまった。それに気付いた鷹はミーノに真実を話した。
「実はな、この島には人間はもういないんだよ。」
「えっ。」
ミーノはこの瞬間にウカが嘘を言っていたのだと認識した。ウカも鷹にバラされてしまったことから素直に話し始めた。
「ミーノ、すまなかった。この島にはもう人はいない。」
「…。」
ミーノは集中してウカの話をした。
「確かに我はそなたを騙した。だが、我はこの島のことを考えてやったのだ。この島は荒れている。でも、我らは動くことができない。だから、ちょうど出てきたミーノに頼んだという感じです。」
ミーノはコクコクと頷きながら、ウカの話を聞いていた。鷹はウカを嫌な顔で見るようになった。
空気が悪くなった時にミーノが話した。
「あの、私は嬉しかったですよ。ウカさん。」
正直な解答にウカと鷹は驚いてしまった。
「前も後ろも分からなかった私をここまで導いてくれたのはウカさんです。それに…」
少し間を開けてミーノはハッキリと伝えた。
「ウカさんのお陰で鷹さんやモグラさん、ゴリラさん、イカさん、タコさん、三懺悔の太路丸さん、次路丸さん、黒丸さん、メルシアさんなど色々な人と出会えました!ここまでやって来たからと言って後ろには私は引きません!ウカさんの野望のために。」
ミーノさんが笑顔で言ったことで鷹は思わず、笑えてきてしまった。
「ギャハハハ!これはすげぇすごい奴だな、ミーノ!これは何も言えないな…!」
ウカもそれに応じて頷いた。
「ミーノ、これからはそなたを騙したりはしない。そなたに命令されたことは絶対に聞くと約束する。」
改まって言ったため、ミーノはアセアセしてた。
「そんなことはありませんよ。」
和やかな空気で夜を明かした3人であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます