第28話 「再開」
前からも後ろからも挟まれてしまったミーノとウカ。
「ど、どうしましょう?」
「…。」
ウカは1つだけ作戦があったが、それでミーノが承諾するわけがないと思っていた。だが、こういう時こそ、考えなくてはならない。
「ち、近づいてきます…。」
「ぐっ。」
これは無理だと判断してウカはトンネルを少し開けた。動こうとしたが、足が止まった。ミーノが止めたのだ。
「早くしないと死ぬぞ。」
「分かっていますが、足が動かないのです。」
ミーノが完全に動きを止めてしまい、しかも、マントヒヒ達に後20mぐらい近くなってしまった。
「行くぞ、無理やり。ミーノは目を瞑っててくれ。」
「はい。」
ミーノが目を瞑り、ウカは思いっきりトンネルから抜け出した。
そして、ウカは周りの茎に手を引っ掛けて上から行くことを選択した。マントヒヒ達もどこに行ったのか分からなくなって動揺していた。
ウカはそこを狙ってこっそりと走り出した。だが…
「シャーッ!」
「マジか。」
気づいた一匹のマントヒヒによって、前の退路が絶たれてしまった。絶体絶命状態に陥った。
「これは無理め。」
ウカが諦め半分で茎に手をつけました。
その時であった。
「早く捕まれ!」
ウカとミーノが顔をあげた先にいたのは鷹だった。
「鷹さん!」
「鷹?」
「いいから、早く!」
ウカはその言うことに従い、鷹の足に向かってジャンプをして、飛び付いた。
「でもこのままじゃ、また下から…」
「その辺は大丈夫だ。頼んだ、皆!」
鷹によって滑空しかできないことを知っていたウカはトンネルで作った皆に頼み込み、風を起こした。それによりミーノ達は浮かび、2つ目と言わず、3つ目の柱までショートカットできたのだ。
「どうしてここに?」
「ミーノがここらへんに来たことを三懺悔から聞いてね。それで追ってきたって感じさ。」
「そう言えば、奥さんとは大丈夫ですか?」
鷹には妻がいた。離れていたら、怒られると鷹は行っていた。だが、今、この場に居合わせているのだ。
「ちゃんと説得して、ここまで来ました。途中で何発か殴られたけども…」
大丈夫かよ。とウカは思うが、ニコニコ笑っている鷹ならば問題ないかと判断した。
再び、鷹がミーノ達に加わり、行動を再開した。
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