第27話 「邪魔者」

1つ目の柱の上に立ったミーノ。周りを見てしまわないようにミーノは前だけを見ていた。

「ウカさん、お願いいたします。」

「ミーノ、大丈夫か?」

ウカがそう問いかけるとミーノは体を震わせながらもコクりと頷いた。ならばとばかりにウカは柱と柱を繋ぐところを橋ではなくて、トンネルにした。

「これなら通れるか?」

「…は、はい。」

ミーノは顔を青くしながらもそーっとトンネルの中に入る、それでおそるおそる進んでいく。

「この調子なら夜にはここを渡りきれそうだね。」

「そうですね。」

少し元気はなくてもその言葉でやる気を見せるようになったミーノ。でもそれが甘いというのは今、知ったのである。

突然、トンネルが揺れ始めたのだ。

「な、何事だ!」

「あわわわわ。」

揺れによりミーノはうずくまってしまった。ウカは原因を探るべくここにいる植物に聞いてみた。すると解答が返ってきた。

「マントヒヒだと?」

そう、このトンネルを揺らしていたのはマントヒヒであった。狂暴な性格をしているマントヒヒがこの辺りに住んでいたようで、縄張りを荒らされたのかと勘違いしてトンネルをどうにかして破壊しようと行動しているらしい。

「ここでマントヒヒに足止めされてる場合じゃない。ミーノよ、今すぐ説明を」

といいかけた時にウカは気づいた。ミーノはもう動けなくなってしまったのだ。ここで動けなくなるのは最悪だと思うウカ。その時に後ろを振り替えるとトンネルの入り口から入ってくるマントヒヒの姿が見えた。

「ミーノ!早くしてくれ。ここで説得か逃げるかの選択をしないと袋叩きにされるぞ!」

「で、でも…」

「鷹と協力した時は行けたじゃないか!」

「あの時は協力したからです、だけど今回は」

言い合っている間にもマントヒヒは突き進んでくる。ウカは一か八かの賭けに出た。

「ミーノ、今回も承諾なしで意識をいただく。」

ウカはミーノの意識を使い、自分を半分にミーノを半分にした。そして、無理やりに足を走らせた。

「この!」

「うぐ…」

ウカはミーノに必死に耐えてくれと思いながらも足で走っていく。だが、少しずつミーノとマントヒヒの距離が縮まっていく。そして、最悪なことに気がついた。出口に先回りされているのを見たからだ。

「これはヤバイ。」


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