第24話 「必死なる戦いの顛末」
ウカは自分がいつの間にか冬眠してしまったことに気がついて、すぐに目覚めた。ミーノが縛られる前に目覚めることができて、少しホッとしたウカだったが、逆に最悪だと思った。タイミング悪く目覚めてしまったことでメルシアに敵認定されてしまったのだ。
ウカは自分の失敗に舌打ちをしたが、最悪な展開だけは避けれたので結果オーライと考えることにした。
「まさか、ミーノちゃんだけじゃなかったなんてね。」
「まさか、ここで自分がいたことが良いことに働くとは自分も思ってなかったんだ。これ以上は止めてほしいのだが、戦いを始めてしまった以上、ここでこんなことを言うのもあれだが、交渉しないか?」
ウカはメルシアに交渉を促した、だがメルシアは自分の指の爪を伸ばして人型から白虎の姿になった。
「無理か…。」
「口火を切ったからにはかたを付けないとね。」
その瞬間、メルシアは直ぐ様移動して、ミーノ(ウカ)に襲いかかった。寸前で避けたが、ミーノの顔に傷を付けてしまった。
ウカは自分のなかで1つ分かっていたことがあった。勝てる気がしないと。
ミーノの体を操っているとはいえ、ミーノの感覚は消えていない。だから、攻撃ができない。しかもここには植物がなく、援護も来てくれそうにない。だから、ウカは試行錯誤を頭のなかで何回も繰り返していた。
だが、全て自分たちが殺される未来しか見えなかった。
「無理だな。」
「諦める?」
ウカが漏らした言葉にメルシアは反応して返す。ウカは少し悩んだが、ファインディングポーズを維持した。
「生憎、我は諦めだけは悪いのでね。」
「そう、それは残念。」
メルシアはミーノのことを思いながらもウカの諦めの悪さに少し気が引けた。だが、次にメルシアはミーノのお腹にパンチを与えた。
「ぐはっ!」
ミーノ(ウカ)は吐血してその瞬間、気絶してしまった。
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