第23話 「オタク」
この島の頂上にレオンはいた、レオンはメルシアがそろそろミーノを倒したのではないかと思い、監視カメラを使ってメルシアがいるところを見てみた。
その映像を見たレオンは絶句すると同時に呆れてしまった。そこに写っていたのは
「レオン様はどうだ!」
「カッコいいです!」
「レオン様の足払いはどうだ!」
「最高です!」
「レオン様の顔は!」
「イケメンです!」
などと言う有り様である。驚くべきことはメルシアが言ったことにミーノが同調していることだ。それを気になり、ミーノの目を見てみたら、メルシアと同じように目がハートになっていた。
どうやら、ミーノはメルシアに思考誘導されて洗脳に近い形になってしまったらしい。
「…これはどうしよう。」
レオンは迷った。確かに今ならミーノを仕留めるのは簡単なのだが、おそらく目の前で自分のことを好き好き好きと連発してくることは目に見えている。それはそれで恥ずかしいから止めてほしいと言いたいのだが、オタク化されてしまった今、そうは言ってられないだろう。
ここまで来るとメルシアがすごいのか、ミーノがチョロいのかよく分かんなくないってしまった。2つの常識が覆されて、2人の評価を改めることにして、レオンはメルシアに命令した。
「メルシア、今すぐ自分のところにミーノを連れてきてくれ。」
「分かりました、レオン様!」
監視カメラで見られていることを知らないメルシアは気分を高揚させながら、ミーノをしばり始めた。
その時、ウカが目覚めた。
「危ない。」
ミーノの意識を少し借りて、メルシアの手を止めた。
「えっ、どうして手を…あなた誰?」
メルシアは動揺こそしたが、すぐに目の前にいるのはミーノだけではないと気付き、身構えた。
「これ以上、この子をいじめるのは止めてもらおうか?」
「いじめではないですよ、レオン様に心酔して欲しかっただけです。」
メルシアは話にならないと言わんばかりに鼻をフンッとさせた。その瞬間、交渉決裂したのを2人は悟った。
「いざ」
「尋常に勝負!」
ウカ(ミーノ)VSメルシアの戦いが今、始まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます