第20話 「三懺悔」
イカとタコの成長を見届けたミーノは3日間、どこの音楽団にも引っ張りだこになってしまった。やはり、イカとタコの話は一目散に有名になっていった。
「大丈夫か?」
「う、うん…。」
ミーノは疲れきっていた。でも、ここをどうにかするという思い一筋で今は移動ができていた。3日3晩寝るのも惜しんでいることがここで裏目に出ているのだ。
バタッ。
「ミーノ!」
案の定、ミーノは倒れてしまった。今、残る気力を必死に振り絞るミーノ。だが、体がいうことを聞かない。
ね、眠い…。
ガタッ。
私は目覚めました。でも椅子に縛られていて、身動きが一切取れません。
ミーノはしばらくの間、椅子をガタガタしまして、縄をほどこうとしたが、キツく縛られているため、ほどけません。
「起きたか。」
ミーノの目の前に蟹3匹が立っていた。
おそらく、このお三方は噂に聞いていた…。
ミーノは確信していた。この3匹こそここの支配者にして、モグラ達が言っていた「三懺悔」であると。
「急に縛ってしまってすまない。」
「申し訳ない。」
「ペコリ。」
3匹の皆さんは丁寧に謝ってくれました。1匹の方だけおかしな人がいましたが、私は気にしないことにしました。
「実はここに来てもらった理由は他でもない、あなたとラップ勝負をしたいということを伝えたいためだ。」
中央に立っていた方がそう仰いました。ラップ勝負と言われてすぐに私はやり方が頭の中にパッと浮かびました。
どうして?という顔にミーノはなった、すると右にいて「申し訳ない。」と言った蟹が説明を始めた。
「イカさんとタコさんの話を聞き、我々も情報集めに出ました。するとコミュニケーション能力も高く、言葉がすぐ出てくるため、歌などに強いという噂を聞きました。」
な、何ですか…それ…ミーノは少し苦笑いしつつも、さっき聞いたラップを頭の中で構成してみた。その時、ひょっとしたら得意のでは?という思いになった。
一番左にいた「ペコリ。」と言った蟹が続きを出した。
「それでよぉ、俺たちはよぉ。お前に挑むことにしたんだよぉ!」
テンションが高い蟹に目が点になる。五秒立ってミーノは我に戻った。
なるほど…つまり、この人たちは私の過剰な噂を信じて、私に挑みに来たと。
ミーノ的には平定させるという目的もあったし、得意のでは?という思いを残していて好奇心旺盛になっていたため
「やります!」
と言ってしまった。
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