第19話 「巻き返し」
タコとイカに引き連れられてミーノは2人の秘密基地にきていた。ミーノはそこにあった楽器を引いてみた。それらは全てイカとタコの心を鷲掴みした。
「なんでそんなに上手なんだ?」
「わ、分からないです。」
ミーノ自身なぜここまでできるのかがよく分からなかった。でも分かっていることはただ上手に引けるということだけ。
「ひょっとしたら人間の時の記憶で必然的に引けるようになったのではないか?」
ウカさんがそういうと私は頭の中がズキッと音がした。
「お前が……くて……くて、だからお前を」
「ミーノ!」
ウカの言葉によってミーノは過去の記憶から戻ってきた。
「ほら、練習に付き合うのだろう?」
「う、うん!」
イカとタコはミーノにオーボエとラッパの使い方を改めて教わった。
3人の練習が始まって3日後、全体の本番まで来た。2人は少ない期間ながらもミーノ目線からとんでもなく上手くなったということがよく分かった。
ミーノは少し離れて応援することにした。
「頑張ってください!タコさん、イカさん!」
ミーノに気が付いた2人は手を振り返した。周りにいる奴らは何者だと思いつつも、イカとタコの知り合いと分かった瞬間、舐めた顔になった。落ちこぼれの2人の知り合いも所詮、落ちこぼれだと思ったのだろう。
だが、全体会が終わった時には周りの奴らの見る目が変わっていた。急な成長力を見せた2人に驚き、それを導いたのが2人に声をかけたあの女だということを悟った。
「タコさん、イカさん!良かった、良かった!」
終わった瞬間、ミーノは降りてきて2人に抱きついた。自分がこの2人を育成した、上手くさせた。その気持ちから2人よりも感動してしまい、涙を流してしまった。
「全て、君のお陰だ。ミーノさん。」
「あぁ、ありがとう。」
ミーノが泣いてしまったせいで2人も泣いてしまった。その後、2人は成長し続けたというのはまた別のお話
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