第17話 「音楽の海」
砂浜に出て、私とウカさんは久々の太陽に興奮してしまい、ゴロンッとしていました。
「生き返ります。」
「我もだ。」
何日間、地下をさまよっていたかは分からないですが、それでもこの爽快感はホントにすごくいいです!
「そろそろ移動するぞ、ミーノ。」
「はーい。」
私とウカさんは移動を開始しましたが、私はとあることが気になって動きを止めてしまいました。
「そう言えば、どうしてここは音が鳴っているのでしょうか?」
砂浜で寝ていた時も、その音に思わず寝てしまいそうでした。流れるのはリズミカルなものやどこか響きを感じるもの、そして、人が盛り上がれそうなものなど色々です。
「さっきのモグラ達に聞いたのだが、ここを取りまとめている三兄弟。三懺悔が人が流していたという音楽を気に入り、それを毎日流しているため、ここにいる者もそれを気に入ったらしい。」
ということはここは音楽(?)の海ということですね。
「踊りたくなってきました。」
「我慢してくれ。」
私は踊りをしたくてたまらなくなってきました、でもそれはレオンさんをどうにかしてからでなければならないと思いました。
「わ、分かっていますよ。速く終わらせなければなりませんね。」
ウカさんはコクりと頷き、私に指示を出しました。そこに向かって私は歩いていきます。すると突然、私の周りに蟹さんが集まってきました。
「な、何ですか?」
私は蟹さんに問いかけてみました。すると次の瞬間に私は蟹さん達に服を脱がされて、蟹さん達が持ってきた服に着替えさせられました。
黒いメガネにタンクトップというもの、そしてミニスカートというものの姿になりました。元々は少しゆるふわな半袖と長ズボンでして、こういう姿に何か違和感を感じます。へそだってスーッスーッしますし。
「ようこそ、フォルト・ミーノさん。申し訳ないですが、あなた様の服は拝借させていただきます。ここではその姿を普段着としていただきます。」
蟹さんの1人が丁寧に説明してくださいました。説明を聞くとここでは音楽が主流になっていまして皆さん、盛り上がれそうな服装にしているそうです。言われてみれば蟹さん達はそれぞれ服を着ていました。だから、私もここではルールを守れと。
「分かりました、このままで行かせていただきます!」
「理解が速くて嬉しいです、それでは我々は失礼していただきます。」
蟹さんはすぐに周りにバラけていってしまいました。私は新しい体験にワクワクしながら移動を再び開始しました。
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