第13話 「検査」

移動していたトロッコが突然姿を止めた。ミーノはどうしたのだろうと思い、少しだけ顔を上に向かせるとそこにはモグラ達が並んだトロッコの検査をしていた。

「この辺にライオン様が仰っていた人間が通るはずだ、おそらくこのトロッコに入っている可能性が高い。徹底的に調べろ。」

「アイアイサー!」

ミーノとウカは見つめあった。

「ど、どうしましょう?」

「こっそりと出るしかな」

ゴンッ!

後ろからトロッコが来た、しかもトロッコが来ていることはどうやら常に確認しているようだ。だとしたらこっそり抜け出す場合、確実に捕まる。かといってこのままの状態でいても捕まる。どうすれば…

「次。」

ダメだ、悩んでいてもジリ貧だ。絶体絶命だ。これでは確実に…

「私に考えがあります。」

ミーノがウカにひっそりと言い、その作戦を伝えた。どうやらミーノはさっき使った石を後2個残しているらしい。そのうち1個を使って、音を出したら確実にモグラはそちらへ向かうはずと考えたのだ。

「分かった、頼む。」

ミーノが手を御意という形にしてこっそりと石を外に投げた。

カンッ。

「誰だ!」

そのうちにとミーノが出ようとした瞬間であった。ミーノはすぐに顔を元に戻した。

モグラ達は全員行ったのではなく、三人を残して、移動していたのだ。つまり、ここで移動したら挟み打ちにされるのであった。

ウカもそのことに気がつき、あっ終わった。と思った。しばらくして、ミーノ達のトロッコの番になった。その中から見つからないはずもなく

「やっぱりここに隠れてやがったか、ということはさっきの石が落ちたのもお前らのせいで正解だったようだな。」

ミーノはすみませんと言いながらモグラ達の拘束を受けるのであった。

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