第7話 「暴走」
ゴリラはさっそく腕試しという感じでミーノに向かって拳を向けて殴りかかった。受け止めるだろうとウカとゴリラは思ったが…
ミーノは前に手をクロスして防いだだけでゴリラにカウンターしようともしなかった、回避もしなかった。まともに食らったのである。
「がはっ!」
そのままミーノは壁に打ち付けられた。
「おいっ、ミーノ。なぜ回避しなかった?」
「私はあなたを知るため、そしてあなたは私を知るためです!」
それで拳を受けることにしたのかと思いつつも大丈夫かよ。と思うウカと嫌いじゃない。と思うゴリラ。ゴリラはまたしても殴りかかった。それをミーノがまたまともに食らった。
「俺のパンチを2度も食らって立てるやつなんてライオン以外だと始めてだぞ。お前、どうやって耐えてるんだ?」
「根性です!」
根性でここまで耐えられるとは思わなかったゴリラ、手で思わずお手上げみたいな手振りをした。
「ここまで来ると執念だな、さすがにビビるぜ。」
ウカはゴリラに同意した。
「へへっ、お前のその思いに気に入った。俺の負けでいいからその手を」
「そうか、お前は私を裏切るのか。」
ミーノとウカは周りを見たが、何もいなかった。聞こえるのは声のみだった。
「おいっ、まさかライオン。貴様!!」
「最後ぐらい私の役に立て。」
そこからゴリラは苦しみ始めた。
「ゴリラさん!大丈夫ですか?」
「ぐがおぉぉぉ!」
その瞬間、ゴリラは暴走を始めて身振りかぶり襲い始めた。ミーノは守る体勢を取り遅れてまともに攻撃を受けた。
「うぐっ。」
ミーノは鼻血を出した、ウカも本体にまでダメージがいった。
「ミーノ、戦え。我も手助けする。」
「で、でも!」
「ここで戦わなかったら我々は殺される。そして、ゴリラもこのままで他の仲間たちも死んでいく。それは我も望まないし、ミーノも望まないだろう?覚悟を決めろ。」
ミーノは悩んだが、ウカに頼むことにした。
「お願いいたします。」
「我は人間の機械をもう1つ持っている、これは誰かの意識を半分奪えることができる。ミーノ、そなたの意識を少しいただくぞ。」
ミーノは少しボーッとしてしまった、するとウカが自分の中に入ってきたのが分かった。
「ウカさん、リードをお願いいたします。」
「了。」
ウカとミーノはゴリラの攻撃をかわした。そして、攻撃をしようとしたが…
「おいっ、ミーノ。」
「嫌だ、私は攻撃したくないです!」
ミーノの意思が勝ってしまって、攻撃をしなかったことでゴリラが攻撃をした。そして、ウカとミーノがかわして距離を取った。
「そなた、いい加減にしてほしいね。」
「嫌です、ゴリラさんの暴走を止める方法が分かったのでやめておきます。」
ウカはえっ?と思った。
「止める方法が分かったって?」
「はい、ゴリラさんの首もとを見てください。光ってるじゃないですか。さっきまでは光ってなかったのであれを外せばなんとかなるでしょうか?」
ウカも首もとの首飾りがあることに気が付いた。ミーノは攻撃こそできないが、周りを気にかける力が強いようだ。
「ウカさん、あそこまで行くのを手伝ってください。」
ウカはミーノにもう一回かけてみようと思った、絶対に次こそなんとかなると感じたからである。
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