第5話 「私の癒し」
崖を渡りきったミーノとウカと鷹は森の奥深くに進もうとしたが、鷹が止めた。
「すまない、俺が来れるのはここまでだ。これ以上は妻や子供達に迷惑がかかるからね。」
「分かりました、ここまでありがとうございました。」
ミーノとウカは鷹と別れた。ミーノは鷹とまた会えると思いながらも、別れるという思いから涙を流した。
「大丈夫だ。今はとりあえず、前を見るのだ、ミーノ。」
「分かってるよ。」
ミーノは無理やり笑顔を作ったが、やはりどこか悲しさがある。ここまでの純粋な人は始めてだと思ったウカであった。
そこからミーノとウカは歩いていく、その途中で2人は滝に出くわした。
「何ですか、これ?」
「滝だな、水の源と言っても過言じゃない。」
ウカが説明をするとミーノは滝に飛び込んむ準備をした。
「ちょいちょいちょい、本気か?」
「はい。」
「いやそれでも心の準備が」
ピョーンッ
「うわあああ!!!」
ザブーンッ
ウカは気絶しかけたが、目を開けると水をよく楽しむミーノの姿があった。そうか、ミーノも植物だから水が癒しになるのか。と納得したウカであった。
「美味しいです。」
「ここの水は我もよく好んで虫達に運んでもらってるのだ。」
ミーノは極楽です~と言いながら水に浸かっていた。尊いと一瞬でも思ってしまったウカだが、いやいやとすぐに理性を取り戻した。
「1つ思ったのだが、服が濡れて大丈夫か?」
「多分大丈夫です、それよりも私は癒しを堪能したいのです。」
この子一度楽しんでしまうと他のことが見えなくなるのか。だが、ウカも久々の水に当てられているからなのかゆっくり楽しんでしまった。
「かなり入ってしまったな。」
「気持ちよかったですぅ。」
ちょっと言い方がNGと思ったウカなのであった。
ある程度乾いてから動き始めた。その時、ミーノは本来以上の体力が回復できたのか。子供みたいに動き回っていた。
「走り回ると危ないぞ。」
「分かってますよ!」
ホントに分かってると思えないウカ。だが、その顔はどこか子供を育てる親みたいな表情になった。
「あと少しでこの森の長がいるところに着くから、それまでに体力を残しておくんだぞ。」
「はい、ウカさん!」
ミーノとウカはそのままの賑やかな雰囲気のまま進むのであった。
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