第4話 「皆の助け」

ミーノと鷹はお互いに謝り合い続けていくとともに打ち解け始めた、そこから始まったのは鷹の愚痴を聞くミーノである。

「それでよ、俺だって頑張ってるのに。妻が俺は頑張ってないって言うんだよ!おかしいと思わないか?」

「おかしいです、鷹さんが可哀想です!」

最初は黙って聞いていたウカであったが、途中で話が鬼のように長くなるのを悟って止めようとしたが

「ミーノそろそ」

「それでよぉ!」

とこのように言おうとしたことが全て鷹に阻まれてしまうため、ウカは諦めて仮眠を取ることにした。

話すこと約6時間、もう周りは夜になっていた。

「話しすぎてしまいました。」

「すまねぇ。」

鷹が謝るといえいえと言いながら照れた顔を浮かべるミーノ、そこでようやくミーノはウカが寝ていることに気が付いた。

「ウカさん、起きてください。」

「ふごっ、終わったのか?」

「はい。」

ミーノは申し訳なさそうにするとウカは大丈夫、大丈夫とも言わんばかりの目をした。

「でも今からここを動くのは危険だから、ここで止まらせてもらおう。鷹いいか?」

「もちろんだ。だが、条件がある。」

条件?なんだと思い、ウカは鷹に問いただすと鷹は恥ずかしながら

「ミーノと夜通し話させてくれ。」

と言った。ミーノはやったという顔になったが、ウカはまたかよ…みたいな目になり、また寝てしまった。


早朝

結局、夜通し喋った2人。その目にはクマができていた。

「ちゃんと寝ろよ。」

「あい、ひょうはどっひに行けば良いのでしゅか?」

寝ぼけてるな、この人。と思いつつウカは目線であっちに行くと行った。

「ちょっと待て、その先は…」

と鷹が言うとなんだろう?と思い、2人も奥を見た。そこは断崖絶壁の崖だった。

「あれ、このような崖あったか?」

「ウカさんが冬眠している間にできたんだ。」

嘘だろ。って思うウカに対して、ミーノは地図通りじゃないですね?ウカさんが間違えるはずないですし、そうです、昨日の内にできたのですね!と思うミーノである。

「どうやって渡りましょうか?」

「うぬぬ。我の根っこを使ってもいいが、この崖では向かい側までは届かないぞ。」

「俺も無理ッ。こんなこと言ってはダメだが、ミーノは重いからな。」

鷹は無理、鷲ならどうにかなりそうだと思いつつも頼りにならないと言うことが分かっているウカは万事休すと思い、下を見た。そこには草達が自分たちを見ていることに気が付いた。

「どうした?」

ウカが話しかけると草達は会話ではなく、行動でしめした。草達は葉をパタパタと動かし、風を起こした。その風でミーノと鷹は飛んだ。

「あわわっ!」

「ぐおっ!」

鷹は突然のことに驚いたが、すぐに草達のことだと分かると草達の狙いに気が付いた。

「なるほどね。ミーノ、俺の足に掴まれ!」

「は、はい!」

ミーノが鷹の足に掴まり、風が少し弱まると鷹はそのまま滑空した。そして、崖を乗りきったのである。

「す、すごいです。」

ミーノは目の前で起こったことに目をキラキラさせていた、それを見ると鷹は照れた。

「そ、そんなことないぜ。それに礼ならあの草達にいいな、あいつらが思い付いた案なのだから。」

鷹がそう言うとミーノは手を降った。

「ありがとうございます、草さん達!」

ここで草達に助けてもらったことで、ミーノはこれからも頼りたいと思ったのであった。


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