第3話 「友達」

ウカは自分の根っこを使用して、この島の全体図を書き始めた。そして、ミーノに説明を始めた。

「我々が今、いるのはここだ。この島は西に向かって階段上になっている。だから、このまま西に伝って行けば上に行ける。だが、この島は海あり、谷あり、雪山ありの過酷な世界だ。」

ミーノはコクコクと頷きつつも首を傾げていた。なんでこの1つの島にそこまでの要素があるのでしょうか?と思っていた。

「とても人間では乗り越えるのは厳しいが、そこは安心してくれ。我々が援助する。」

「ありがとうございます!」

少し不安がありつつも受け入れて移動を開始することにした。


ミーノは西に歩くこと約30分、汗がダラダラになっていた。この森は熱帯みたいな環境下に置かれているためである。

「はあっはあっ。」

「大丈夫か?」

ウカは目だけで話しているため、気温を感じていない。ミーノは羨ましいですと思いつつも歩くしかない。

「少し休憩。」

とミーノが木の影に座った瞬間。

「何者だ、貴様!」

上から声がした、そこには鷹がいた。鷹はミーノを見た瞬間、髪の毛につついてきた。

「いたっ!」

「この野郎!」

鷹はミーノを痛め付けた。

「や、止めてください!」

「お前、俺と喋れるのか!?人間。」

ミーノもあれ?と思った。ウカさん達とは喋れることは分かっていたが、動物とも喋れるとは思っていなかった。

「そこは我が説明しよう。我々は動物達の声を聞き取り、自分たちの言葉として喋れることもできる。だから、鷹とも喋れるのだ。」

な、なるほど。とミーノと近くに聞いていた鷹は納得した。だが、すぐに鷹は攻撃を再開した。

「喋れるから何だと言うか、お前が俺の縄張りを荒らしたことに変わりはない!」

「痛い!」

ミーノは鷹から距離を取るため、逃げた。それを本気で追いかける鷹。

「来ないでください、私はあなたと争うつもりはありません!」

鷹は聞く耳を持たずにミーノを襲う。

「ミーノ、戦ってどうにかするのだ。」

「嫌です!」

ミーノはすぐに拒否をした。

「どうしてだ?」

「争いは何も生みませんし、何も報われない!私は誰ともそんなことをしたくないです。」

ウカは押し黙った、まさかここまでミーノが断固拒否するとは思わなかった。ウカ達でもやられ過ぎると抵抗はする、ボロボロになってでも争いに走らない心は始めてだった。ウカは1つ気がかりになった。ある意味、生まれたてだと思われるミーノがどうしてそのような感情を持ってるのか。

まさか、人間の記憶の中で何か…。と考え始めたが、ウカは止めておき、今のミーノを見ることにした。

「待ちやがれこのっ!」

鷹は必殺の一撃みたいな感じで急襲した、それをミーノはかわした。

ゴロッ

「あっ!」

「危ない!」

ミーノは慌てて手であるものを受け止めた、鷹の巣である、そしてその中には卵が入っていた。

「いつから気付いていた。」

「鷹さんは私を襲う時に上を毎回気にしてました、それでひょっとしたらと思いました。」

ミーノは鷹の巣を下に置き、鷹に泣きながらハグをした。

「ごめんなさい。狙っていたつもりは本当にございませんでしたが、このような形になってしまいました。本当にごめんなさい。」

ミーノが泣きながら言ったことによって鷹も怒りが覚めたのか爽やかな声でいった。

「俺もすまなかった、勝手にここまでボロボロにしてしまって。」

その後、2人はお互いにペコペコして謝っていた。その2人を微笑みながらウカは見ていたのであった。











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