閑話 青丹らんのマ◯クラ配信より一部抜粋
「わ……ぼろぼろ……」
コメント:あっ
コメント:あっ
コメント:これは・・・
コメント:あー・・・
コメント:あー、うん
コメント:そういやこの辺でTNT合戦が勃発してたな・・・
コメント:辺境やのに・・・
コメント:お嬢の家が・・・
「うーん……」
コメント:お嬢・・・
コメント:まぁ、修羅の国やし・・・
コメント:誰が悪いわけでもない
コメント:明らかに治安が悪いやろ
コメント:それはそう
コメント:誰やろな・・・
コメント:犯人探しはお嬢が余計に悲しむからNG
コメント:ゲーム中のことは不問やぞ
コメント:せやな
コメント:やはりお嬢はソロのが・・・
「……うん、おうち、もう一度、最初から作り直しましょうか」
コメント:声がそんなに落ち込んで無さそうで良かった
コメント:今日はおうち再建か
コメント:さすがにぼろぼろだと落ち着かんしな
コメント:にしてもここまで抗争来るの珍しいな
コメント:そろそろ中央の勢力図が決まってきて抗争の範囲が広がりつつある
コメント:また広がってんのか
コメント:ここら辺も危険地帯になるのか・・・嫌な時代だな
コメント:紛争地域の会話か?
「ふふ。みんな、元気ですからね。少しくらい壊れちゃうのは仕方ありません」
コメント:少し・・・?
コメント:少しには見えないですが
コメント:これ保険入ってたら全壊でいけるでしょ
コメント:TNT保険
コメント:それ、ほめるた!サーバーだと保険として機能しないのでは・・・?
コメント:毎日保険金降りてそう
「まだ使える資材だけ回収しちゃいたいですけど……」
コメント:使える資材・・・?
コメント:残骸しかなくね?
コメント:チェストも消え去ってるな
コメント:山賊でも来た?
コメント:まぁ倫理観山賊みたいなもんやろ
コメント:山賊でも家は焼き払わんやろ
「大人しく、一から集め直しましょうか。とりあえず、何がどれくらい必要かを整理しなきゃ、ですね。闇雲に集めても仕方ありませんし」
コメント:どんな感じだったか朧げにしか覚えてないわ
コメント:お嬢、何でも拾ってくるから途中から結構ごちゃついてたしなw
コメント:あと貰ったものとか残しまくるからさらにごちゃごちゃしてた
コメント:ただお嬢のセンスが良いから雑多感はあっても無秩序ではなくて割と好きだった
コメント:わかる。思い出の品とか映り込むの好きだった
「木材と石系はたくさん必要だとして……代わりにはなりませんけど、置いてたものが完全になくなっちゃうのも寂しいので、そちらも集め直していきましょうか」
コメント:あのごちゃごちゃ再現するん?
コメント:さすがに何がどれだけあったかは覚えてない・・・
コメント:ちょっと難易度高くない?
コメント:アーカイブ見直して何が要るか確認してくるか
コメント:ちょっと大変だけど、やるか
コメント:お嬢のためやしな
「わ。アオタンさんたち、ありがとうございます。そうですね、でも、だいたい覚えているので、大丈夫ですよ」
コメント:え
コメント:結構色々あったと思うが・・・
コメント:お嬢、いけるん?
コメント:ちゃんと把握してるならすごいな
コメント:お嬢ならできそうな気もする
「あ、それじゃあ、何があったか、一個一個思い出していきましょうか」
コメント:唐突に始まるお嬢の記憶力テスト
コメント:同時に俺らの記憶力も試されてる
コメント:視聴者参加型記憶力テスト
コメント:花がいっぱい植ってたのは覚えてるんやけどな・・・
コメント:一応、アーカイブで家の様子見返しながら漏れがないか確認しとくわ
コメント:念の為、俺もアーカイブ確認するわ
コメント:有能アオタン
「ふふ、みんな、ありがとうございます。それじゃあ、どこから話しましょうか。そうですね……うん、最初からにしましょう」
「最初にこのワールドに来たとき、私、M◯necr◯ftのこと、全然わかっていなかったんですよね。いえ、M◯necr◯ftというか、ゲームそのものがよくわかっていませんでした。勿論、動画とかで観たことはあったのですけど、やるとなると全くわからなくて、ちょっぴり遠慮していました。ふふ、はい、実はそうなんです。最初の頃、私が雑談配信ばかりだっだのは、ゲームのやり方がわからなかったから、ですよ。でも、そんな私を、さくらちゃんが「楽しいから一緒にやってみよう」って私を誘ってくれたんです。私、初めてのゲームで、すごく下手っぴだったんですけど、さくらちゃんが付きっきりでやり方を教えてくれたんです。それで、さくらちゃんに教えてもらいながら、何が作りたいと聞かれて、答えたのがクッキーでした。ふふ、はい、最初からカカオの実を探しての大冒険です。私が見かけるもの見かけるもの気になっちゃって、全然、進まないのにさくらちゃんは丁寧に色んなことを教えてくれました。大海原に感動したり、雪山で雪合戦したり、洞窟探検したり、大きなお屋敷にこっそり入ったり……ええ、色んなことをしながら大冒険でした。そうして、ようやくカカオの実を見つけたんです。ふふ。はい、ここ──私のおうちの場所はさくらちゃんと一緒にカカオの実を見つけたその場所ですよ。それで……初めて、私、ゲームでクッキーを作って、大冒険の末の成果だったからすっごく嬉しくて。食べたくなくなっちゃって。さくらちゃんには、ロストする前に食べた方が良いかも、とは言われたんですけど、やっぱり残しておきたかったから、額縁に入れて飾ってたんです。はい、玄関に入ってすぐのクッキーが、そのクッキーですよ。……でも、やっぱりさくらちゃんの言うことは聞いておけば良かったな……大事なクッキー、失くしちゃった」
「ここには、色んな花が植えてありました。これ、実はメンバーのみんなからなんです。ふふ。はい、すでにご存知の方もいらっしゃるようですが、配信外での出来事です。あの頃は、ゆめちゃんが羊牧場を広げてて、配信外で色々試す際に余った羊毛を少し分けて貰っていたんですよね。それで、羊毛が染められるということを知ったので、それも試してみたくなったんです。なので、チャットで「染料はどうやって作るのでしょうか?」と何気なく質問したら、そのときマ◯クラをプレイしてたメンバーみんなが、色んな花や染料の素材を持ってきてくれて……ふふ、お礼にみんなにクッキーをプレゼントして、お茶会になったんですよね。あ、花の並びですか? じゃあ、端から順番に。あのとき、最初に私のおうちに来たのが──」
「──という順番で植えていました。ふふ、合っているご報告ありがとうございます。そうですね、別に意識して順番を覚えているつもりはないですが……もしかしたら、みんなにとってはその場のノリだったのかもしれませんが、私のおうちにみんなが集まってくれたことが嬉しくて、忘れたくなかったんです。ゆるい空気のまま、お互い別々に配信したり、裏での作業中だったりしましたけど、雰囲気で楽しんで。……もし、今から私があの時の同じように質問したら、こんなぼろぼろな家でも、みんな、また集まってくれるかな……ふふ、なんて、冗談です」
「他には──」
「うん、これで全部だと思います」
コメント:アーカイブで確認してますが、全部合ってます
コメント:こっちも合ってるの確認した
コメント:お嬢、マジで全部覚えてた
コメント:一個一個に思い出詰まってた
コメント:あげた側とかあげたこと絶対覚えてないやろってことまで覚えてるんよな
コメント:お嬢、家に来るたびに全部の思い出を振り返って嬉しかったんやろなぁ・・・
コメント:小さな優しさがお嬢の中には永遠に残ってるのヤバいな・・・
コメント:小さな親切とかしても忘れられて終わりやろとか思ってたけど、お嬢を見てたらそれで心の底から喜んでくれる人もいるんだって思ったわ
コメント:なんか人に優しくしたくなる
コメント:尊み秀吉
「私の中では、忘れたくない幸せな思い出ばかりですから。ゲーム的にはもしかしたらガラクタなのかもしれないアイテムであっても、私にとっては代えようのない、大切な宝物だったんです」
コメント:「だった」
コメント:過去形は効く
コメント:失ったものがデカすぎる・・・
コメント:お嬢が楽しそうに思い出を語るから失ったもののデカさを感じずにはいられない
コメント:どうにかお嬢のうちは抗争を持ち込まないでほしいな
コメント:わかる
「それじゃあ、必要なアイテムも思い返したので、探索に出かけましょうか。ちょっと頑張るので、コメントの見過ごす率が上がったら申し訳ありません」
コメント:ええんやで
コメント:お嬢が楽しいなら何でも良い
コメント:配信観てたらしいメンバーがTw◯tt◯rでダメージ受けてて草
コメント:そら(自分の記憶にも残ってないような親切を覚えられてて、しかも嬉しそうに語られたのに、その思い出の品を自らの手で壊したとなれば)そう(大ダメージ)よ
コメント:あいつらに人の心があったのか
コメント:お嬢があいつらを獣から人間に戻したんやで
コメント:その声は、我が友、李徴子ではないか?
コメント:それ人間から獣になってね?
コメント:それラスト獣から戻らないんすよ
コメント:山月記のネタバレやめろ
コメント:すまん
コメント:ええんやで
コメント:やさしいせかい
コメント:山月記のネタバレってなんだよ
コメント:虎が李徴子ってわかる時点でネタバレやろ
コメント:せやろか・・・?・・・そうかも
「……なんで目を離してる間に山月記のネタバレの話になってるんですか?」
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