閑話 (プレミアム公開)【ドッキリ】3Dモデルになれるのは1人だけ…?【ほめるた!】

【ドッキリ】3Dモデルになれるのは1人だけ…?【ほめるた!】




──お疲れ様です。


「お疲れ様です。……ええと、重要なお話がある、と……伺っているのですが……」


コメント:今度はお嬢か

コメント:声で緊張しまくってるのわかる

コメント:重要な話とだけ聞いてマネージャーに呼び出されたらビビるやろ

コメント:こっちまで緊張するわ

コメント:なんか結果が見える

コメント:100%自分とは言わない

コメント:推すなららんらんとかかな?

コメント:ありそう


──実は、今度、3Dモデルが製作されることになりました。


「えっ!? 本当ですか!?」


コメント:めっちゃ嬉しそう

コメント:お嬢の声の喜び具合よ

コメント:そら(登録者数は同期では少ない方やし3Dモデルも後回しだと思ってたやろうから)そう(喜ぶ)よ

コメント:これ、ネタバラしで3Dモデルの話は嘘ですとか言われたらお嬢泣かない・・・?

コメント:泣かないにしても声のトーンは下がりまくってそう

コメント:やはり鬼畜ドッキリなのでは・・・?


──ただ、予算の都合上、3Dモデルになれるのは1人だけです。そこで、みなさんはどうしたいのか、ご本人にご意見を伺っています。


「1人……」


──青丹あおにらんさんは、どうしたいですか?


「私は……」


コメント:悩んでるな

コメント:さすがにそうやろ

コメント:こんなチャンス滅多にないからな

コメント:逃したらまたいつ機会が巡ってくるかわからんと思っちゃうのもわかる

コメント:お嬢ならノータイムで譲りそうな気がしたから悩んでるの意外やわ

コメント:お嬢、だいたい何でも譲ってるイメージ

コメント:本気で3Dモデル欲しがってんのかな?

コメント:あんまりそういうこと言わないからお嬢がどう思ってるかわからんのはある

コメント:お嬢、真面目で向上心高いから、内心めちゃくちゃ欲しがってても不思議ではない


「……私だけのことであれば、私以外の強く望んでる方にしてあげてください、とすぐに答えたと思います」


コメント:やっぱ譲るか

コメント:やはりほめるた!の良心

コメント:優しすぎやせんか

コメント:なんか言い回し変じゃね?

コメント:違いそう

コメント:強い意志を感じる声色

コメント:これは・・・?


「……ですが、私には、私を応援してくれてるアオタンさんたちがいます。私以上に私を好きでいてくれる、大切な人たちがいます。私以上に私の新しい姿を、様々な活躍を、望んでくれてる人たちがいます。ここで簡単に譲ることは、私だけの想いじゃなく、私を応援してくれてるアオタンさんたち全員の想いを軽んじてしまうことになると、思っています」


コメント:お嬢・・・

コメント:やっぱお嬢は優しすぎる

コメント:あったけぇなぁ

コメント:お嬢の声、震えてる

コメント:そら他人と争うの苦手そうなお嬢がみんなが狙ってる3D化に名乗りをあげようとしてるんやで。怖くないわけがない

コメント:真面目すぎるんよ・・・俺たちはお嬢が選んだならそれで良いのにさ

コメント:お嬢の好きにしてくれ

コメント:俺らはお嬢が笑うなら何でも良いんだ

コメント:我儘言ってくれ

コメント:これだからアオタンはやめられねぇんだ


──では、ご自身の3Dモデル化を希望されるということでよろしいでしょうか?


「……嘘偽りなく本心を言うのであれば、私の3D化を希望したいです。ですが、私は、私とメンバー、スタッフ、そして応援してくださってる皆さんと一緒に成長していきたいと思っています。そのためには、今回のように選ばれるのが1人という状況なら、選ばれるのが私では駄目なんです。私よりももっとよりほめるた!の良さを広めてくださる方でないと、駄目なんです。ですから……1人、違う方を推薦します。その方に、私と大切なアオタンさんたちの想いを、全部、託します」


コメント:結局譲りはしたけど、なんか重みがすごい

コメント:だめじゃない

コメント:俺らはお嬢が良いんやで

コメント:俺らの想いを汲み取った上でなおみんなで笑いたいってお嬢の望みやぞ

コメント:お嬢が優しすぎる

コメント:これは託された側は下手なことできんぞ

コメント:何美何らやろなぁ

コメント:お嬢と俺らを頼んだぞ、クソオタク

コメント:信じてるぞ、オタク

コメント:やっぱお前しかいねぇよ、オタク




──お疲れ様です。


「お疲れ様でーす。それで、重要な話って何ですか?」


コメント:あれ?動画とんだ?

コメント:お嬢途中で終わった?

コメント:編集ミス?

コメント:わからん・・・

コメント:らんらん?

コメント:わからんらん

コメント:お嬢が途中で消えてらんらんに切り替わったっぽい?

コメント:らんらんの口調、かっる

コメント:おい、なんか食ってんぞ

コメント:こいつマネージャーに呼び出され慣れてやがる・・・

コメント:お嬢を見習って?

コメント:ほんまこいつ神経図太いな


──実は、今度、3Dモデルが製作されることになりました。


「え!? 重要な話じゃん!?」


コメント:???

コメント:そうだが?

コメント:最初からそう伝えてあるはずだが???

コメント:こいつほんま・・・

コメント:さすがらんらん。適当だ


──ただ、予算の都合上、3Dモデルになれるのは1人だけです。そこで、みなさんはどうしたいのか、ご本人にご意見を伺っています。


「え、1人? それは同期から、ってことですか?」


──そうなります。朱美あけみさくらさんは、どうしたいですか?


「んー……えー、1人かぁ。みんなの3D見たい……」


コメント:らんらんはお嬢推しそうだけど、読めん

コメント:ほめるた!ガチオタやから意外な答えが出そうでもある

コメント:らんらんが自分の3D化希望するとかはない?

コメント:ないとは言わんがほめるた!オタクやぞ?

コメント:!?

コメント:!?

コメント:お嬢・・・?

コメント:なになに

コメント:何が起きてるの・・・?

コメント:お嬢の立ち絵が急に出てきた?

コメント:さっき途中でお嬢が途切れたのわざとか

コメント:これはまさか?

コメント:これはお互いを推薦し合うパターン!!!!!!

コメント:こんな演出するとかさては運営にさくらんガチ勢がいるな?

コメント:公式からのさくらん供給だー!!!!

コメント:やるやん(後方腕組みさくらん民)

コメント:公式が最大手

コメント:キマシッ


──では、どなたを推薦されますか?


「──ゆめちゃんを」

「──ゆめを」


コメント:!!?!?!?

コメント:は!?!!!?!?

コメント:え!!!!?!!???

コメント:なぜ!?

コメント:ゆめたそ!?

コメント:なんで!?

コメント:何が起きた!?!?!?

コメント:うっそやろ・・・!?

コメント:らんらんマジか!?!??

コメント:動揺してる

コメント:え、俺らがドッキリされてる???

コメント:ドッキリに見せかけたゆめたその3D化告知か???


──参考までに、理由をお伺いしてもよろしいでしょうか。


「ゆめちゃんが、今、1番、成功する可能性が高いと判断したからです」

「登録者数だけで言うと、確かに私の方が多いですけど、今勢いがあるのは間違いなくゆめ」

「ホラーゲーム配信は、リアクションが派手で動きがわかりやすい3Dモデルの方がよりゆめちゃんの魅力が発揮できると思います」

「今はほとんどネタ枠みたいな扱いでTw◯tt◯rでもバズったりしてますけど、ゲームの上手さとかガチ恋とか他の伸び代も大いにあるはずです。勢いがある今、それを狙った方が良いと思います」


コメント:意外とちゃんと考えてた・・・

コメント:ガチな話じゃねーか

コメント:てぇてぇを期待してた俺らが恥ずかしくなるくらい真剣に考えてた

コメント:お嬢は真面目なのわかるけど、らんらんも真面目なの意外だわ

コメント:なんかごめん

コメント:それにしてもらんらんがゆめたそ選ぶのは・・・なんつーかすげぇわ

コメント:らんらんが良いなら良いやろ。俺らがなんか言うことじゃない

コメント:てからんらんとお嬢息ぴったりかよ

コメント:これはケコーン


──正直、朱美さくら/青丹らんさんを推薦すると思っていました。


コメント:はい、有能マネージャー

コメント:これ聞きたかった


「……ずっと、その選択肢は頭の中にはありました。ですが、今回の3D化で成功しなければ次の3D化がどうなるかはわかりません。それならば、私の気持ちよりも1番可能性が高いゆめちゃんに賭けることが、関わってくださっている皆さんに対する誠実な行いだと思います。……マネージャーさん、大事な親友のことを推さないなんて、私、親友失格でしょうか。こんな、打算だらけで親友のことを考えちゃうなんて、私、非道いでしょうか……」


コメント:お嬢マジ・・・

コメント:真面目すぎ

コメント:自分がやりたいようにやってくれてええんやで

コメント:自分の気持ちを大事にしてほしい

コメント:ええんやで

コメント:らんらんならお嬢のことわかってくれるよ

コメント:らんらんを信じろ

コメント:確かにらんらんの3D化でも良さそうだけど、それ以上に可能性が高いものに自分の気持ちを無視してでも賭けるお嬢の覚悟・・・


「──さすがに、軽口だと思って良いよね? 確かにらんちゃんが3D化されたらすごい魅力的だろうし、私も見たいと思うよ。けど、登録者数的にも勢い的にもあの子の魅力はまだみんなに広まりきってない。そんな中で他の同期を押し退けてまで3D化したら、他のファンに批判されるのが目に見えてる。そして、そんな批判を跳ね除けるために、らんちゃんはきっと今まで以上に頑張りすぎる。どんな企画でも受け入れてくれるようになるだろうし、運営にとっては都合が良いのかもしれないけどさ──そんなあの子を使い潰すような判断をしてみろ。私は、絶対に、許さない」


コメント:ひぇっ

コメント:こわひ・・・

コメント:ガチトーン・・・

コメント:お嬢ガチ勢こわい

コメント:こっちはこっちで過激すぎる

コメント:あー、確かに1人だけってなるとお嬢は色々言われそうな気はする

コメント:そして頑張りすぎる

コメント:お嬢、体調不良隠して配信してた疑惑があるからなぁ

コメント:お嬢が大切だからこそ、お嬢を挙げないらんらんの判断よ

コメント:やっぱらんらんはお嬢のことをちゃんと考えてた


「あ、ごめん。口悪くなっちゃった。まぁ、ガキが何言ってんだ、って感じだろうけど……私、らんちゃんと花弁どもくらいしか守るもんないからさ。そこはマネージャーにも覚えててほしいかも。ま、運営のことは信じてますけど。あの時もちゃんと対応してくれましたし」


コメント:ちょっとらんらんの覚悟が決まり過ぎてる・・・

コメント:無敵すぎる・・・

コメント:マジでお嬢が全てすぎる

コメント:てぇてぇ営業とかじゃないんだよなぁ

コメント:営業も好きだけど、らんらんのガチはもっと好き

コメント:ほめるた!の闇、深すぎん?

コメント:お嬢が逆鱗すぎる


「ちなみにもうらんちゃんには聞きました?」


──今回の話の趣旨上、他のメンバーの答えはお教えできません。


「そっか。ま、らんちゃんも私と同じ答えになると思いますよ」


コメント:!?

コメント:当たってる・・・

コメント:らんらんの予言!?

コメント:こいつお嬢のことになると鋭すぎない?

コメント:どんだけお嬢のこと考えてるんだ


──そう思う理由をお伺いしてもよろしいでしょうか。


「らんちゃんの真面目さを舐めすぎ。らんちゃんは毎日ずっとメンバーとか界隈のこと勉強してます。どうして自分が伸びないのかとか、どういう子が人気あるのかとか、ずっと勉強して試行錯誤し続けてます。そんならんちゃんなら、私と同じ結論になると思います」


コメント:マジか

コメント:そういや確かにコラボとかでもメンバーの情報とかすっと出してたよな

コメント:単にお嬢の記憶力が良いだけだと思ってた

コメント:めちゃくちゃ努力してたんかお嬢

コメント:表に出さないお嬢の努力をらんらんが知ってるのよき




──お疲れ様です。


「お疲れ様です」


──実は、今度、3Dモデルが製作されることになりました。


「え? ほんとですか?」


──ただ、予算の都合上、3Dモデルになれるのは1人だけです。そこで、みなさんはどうしたいのか、ご本人にご意見を伺っています。


「え、やりたい。やりたいです。というか、やりたくないって言う子、いなくないですか?」


──他の方の推薦でも構いません。総合的に今回のプロジェクトをどうされたいのか、ご意見を伺っています。黄昏たそがれゆめさんはどうしたいですか?


「総合的に……? え? ……? やりたい、です……?」


──ご自身の3D化を希望されるということでよろしいでしょうか?


「え、はい」


──例えば、仲の良い青丹らんさんや朱美さくらさんなど、3D化の候補はいると思いますが。


「確かにらんちゃんとか朱美が選ばれたら、嬉しいですよ?」


──それでも、ご自身の3D化を希望されますか?


「え、はい。だって、自分が1番上手くやる、ってみんな思うものでしょ? なら、自分以外を推薦する人とかいなくないですか?」


──今回の話の趣旨上、他のメンバーの答えはお教えできませんが、なぜ、そう思うのでしょうか?


「なぜと言われても……それくらいの覚悟でやってるんじゃないですか? 少なくとも……私はそれくらいの覚悟を決めました」


──わかりました。黄昏ゆめさんの意思は、しっかりと参考にさせていただきます。


「まぁ、順当に考えたら朱美でしょうけど」


──ここからは雑談になりますが、もしかしたら、朱美さくらさんが黄昏ゆめさんを推薦するかもしれませんよ。


「朱美が私を? ないです。ないない。もしそんなことがあったら、前に提案されたホラゲの耐久配信でも何でもやりますよ」


──では、青丹らんさんならどうでしょう。


「らんちゃん? 同じくらい……いや、朱美以上にあり得ないと思いますよ。……うん、朱美にもらんちゃんにも、私はそんなことして貰える資格とかありませんから」


──お2人とも、過去のことを完全に許したわけではないとはおっしゃっていますが、同時にそれでも黄昏ゆめさんのことを友だちだともおっしゃっていますよ。


「……知ってます。あの2人は優しくて、私には勿体無いくらいの最高の子たちですから。だからこそ、そんな2人の優しさに甘えるような真似はしたくない。自信を持って2人の友だちだと言えるまでは、立場を弁えるつもりです」


コメント:お前はお前で覚悟決まり過ぎ

コメント:あれは自己責任が全くないとは言わんけど、正直、運が悪かったのも否めない

コメント:ほめるた!の闇は深い

コメント:クソ雑魚ゆめたそはどこ???

コメント:(居)ないです




─ネタバラシ!─




──実は、今回のお話、ドッキリです。3D化モデルになれるのは1人だけ、と申しましたが、全員の3D化が決まりました。


コメント:!?!?

コメント:!?!!!?!

コメント:!?

コメント:そっち!?

コメント:3D化はガチなの!?

コメント:ドッキリってそっちかよ!!!!!!




***




─ドッキリネタバラシ後─


コメント:Cパートか?

コメント:おまけきた

コメント:なんやろ?

コメント:正直、海外の反応みたいな喜び方するメンバーに笑ってお腹いっぱいなんやが

コメント:らんらんのリアクションが激し過ぎて草だった

コメント:お嬢が涙声なのこっちまで泣きそうなったわ

コメント:お?

コメント:ゆめたそ?

コメント:なんでゆめたそ?


──こちらは、朱美さくらさんと青丹らんさんの質問の様子です。


コメント:あっ

コメント:運営マジか

コメント:これは・・・

コメント:運営に人の心がある・・・!?

コメント:せやろか?

コメント:何のことかわからんのやが

コメント:色々あったんや

コメント:「ほめるた! 自作自演」で検索検索ぅ!


「……へ? 何でそんなもの用意してるんですか? 他のメンバーの回答は教えられないって……いやまぁ、ドッキリだったから良いのかな? ……。……いや……いやいや……あり得ない……あり得ないでしょ……。ほんとさ……あんたたち……じょうだん、とかさっ……こんなとこでっ、言うもんじゃっ……ないでしょっ……!」


──間違いなく、本心である旨を当人たちに確認しております。


「あーっ! もう! 知ってますっ! 知って、いるんです! あの子たちはっ、私みたいに卑劣でも陰険でもない……っ! すごくっ……すごく、いい子たち、なんです……。こんな、こんな嫌がらせなんてあり得ない……。本心でっ、私に託すって思ってくれてるんだってっ、わかり、ますっ……!」


──はい。


「ばかじゃん! こんなのっ! 私1人でずっと意地張ってさッ! あんたたちは私のことちゃんと認めてくれててっ……! それに気付かないで! 資格がどうとか、自信がどうとか、ずっとそんなことばっか気にしてッ! ほんと……ばかじゃん……」


──そうかもしれません。


「……わかりました。もう関係ないです。──が何と言おうと、黄昏ゆめはあの子たちの友だちで、一緒にVを楽しみます」


コメント:はい、最高

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