第574話 流の災難と、内緒のアルバイト!? その51

「犯人は、どこにいるんだろう?」

 梅川が辺りを見回しながら、注意深く目を凝らす。

 満と流も、公園の中を同時に見回してみるが、他に人影はいない。休憩所の横に、細い柱の上に付けられた大きくて丸い時計台があった。 

 結は、少年がここから動かずに、今度は時計台をちらちらと見ていたのに気づく。そう、時間をとても気にしているように。

「あの、お聞きしてよろしいでしょうか?」

 その少年へ、結は声をかけた。

「な、何!?」

 突然声をかけられて、少年はびっくりする。

「貴方は、日焼け止めを塗られていますか?」

 思いもよらない質問に、少年は目を丸くした。

「…いや、塗っていないけど」

 なんでこんな事を聞くんだ?と言わんばかりに、少年は答えた。

「どこにも塗られていない、という事ですね?」

 念を押すように、結はそう聞く。

「あ、ああ…?」

 さらにそう聞いてきたので、少年は頭の上に「?」を何個も並べた。

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