第558話 流の災難と、内緒のアルバイト!? その㉟
「…いないなあ」
梅川が焦りを滲ませながら呟く。
「もう、どこかへ行っちまったのか…?」
心に広がる絶望感を感じながら、流はまだ周りを見渡す。
「どうしたんだい?」
小さな池の近くのトイレから、一人の少年が出てきた。梅川より少し背が低めの、白いタンクトップを着た、こげ茶色の短髪の高校生ぐらいの少年は、まだ入り口で立っていた流と梅川の方へと駆け寄ってきたのだ。
「…あ、怪しい奴!濃い緑色のパーカーを着た奴見なかったか!」
わざわざこちらまで来てくれた少年へ、流は慌てて質問する。
「…いや、見なかったよ。おれはトイレにいたから」
少年からの答えに、流は「そっか…」と落ち込む。
「風山君、あれ!」
流の隣に居た梅川が、突然声を上げた。
「あのレジ袋じゃないか!?」
休憩所のベンチの上に、大きなレジ袋が置かれていたのだ。
それを見るなり、二人は猛ダッシュで休憩所へ行く。
「あったあ!」
息を切らしながら休憩所のベンチまでたどり着いた流は、レジ袋の中を見て思わず叫んだのだった。
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