第549話 流の災難と、内緒のアルバイト!? その㉖

「おーい!買ってきたよ」

 流は速足で、梅川の近くまで行く。流に気づいた梅川は、ペットボトルから口を放した。

「ありがとう!」

 立ち上がった梅川は、流からくじの景品が入っているレジ袋を受け取った。

「今、叔父さんへ報告するね」

 そう言うと、ズボンの前のポケットからスマホを取りだすと、電話をかけた。

「…うん、そう。…うん、分かった。そう伝えてくよ」

 くじの代行の成果を報告した後、梅川は電話を切る。

「叔父さんが、A賞のフィギュアを渡してもいい、って」

「―ええっ!?」

 予想もしなかった報酬に、流は目を丸くした。

「A賞を欲しがっている人がいなかったんだ。だから、これは追加の報酬だ、って言っていたよ」

「…マジか!?やったあ!!」

 諦めていたA賞が手に入ると知って、流はガッズポーズをした。

「叔父さん、風山君に期待している、って話していた。これからも、よろしく頼む、って」

「ああ!まかせろ!」

 アルバイト代が入ったうえに、欲しかったフィギュアまで手に入った。

 予想以上においしいアルバイトがやれる、と、この時の流は有頂天になっていたのだった。       

 

 それから数日後、流は梅川に会うため少し遠くのコンビニへと歩いていた。

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