第542話 流の災難と、内緒のアルバイト!? その⑲

「…うん!引き受けてくれたよ!それじゃ早速やってもらうね」

 流が代わりにくじを買うアルバイトを引き受けた後、梅川はスマホで叔父へと連絡した。 

「叔父さんが資金を送ってくれたよ」

 スマホを差し出すと、画面に電子マネーが写っていた。

「一万円も…!?」

「風山君は、僕の後に買いに行ってほしい、って言っていたよ。確か、あの本屋は残り十八枚だから、まず僕が先に十枚買ってきて、少し間を置いてから残りの八枚を買ってきてほしいんだ」

「あ、でもそうしたら四千二百円余るんじゃあ…」

 七百円×八枚=五千六百円だから、四千円以上余る。

「その残りは、アルバイト代の前払いだから自由に使っていい、って言っていたよ」

「…マジか!?」

 いきなり四千円以上も先にもらえると知り、流は喜ぶよりも驚いていた。

「あの本屋さんは電子マネーでも買い物ができるから、これで大丈夫」

 そう言うと梅川は、自分のスマホの中の電子マネーを流のスマホへと送った。

 

「いらっしゃいませ」

 本屋のドアが開くと同時に、レジの中に居た結が頭を下げた。

「ハッピーくじを…って結さん!?」

 結が頭を上げると同時に、入ってきた梅川がびっくりした顔になった。  

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