第532話 流の災難と、内緒のアルバイト!? その⑨

「ちゃんと宿題はしてるし、中間や期末の時のテスト勉強はしてるのに」

 納得いかない、という顔で流れは不満を漏らす。  

「まあ、やりくりが大変だったからね。お年玉やお爺ちゃん達からのお小遣いも強制的に半分取り上げられていたし」

 臨時収入があった場合、必ず両親が「貯金する」と言って半分取り上げられた。だから流と涼子は貰ったお金を全部自由に使えない事にさらなる不満をもっていたのだ。

「今でもアルバイト代は毎月半分貯金させられているよ」

 さらなる不満を漏らした姉に、流は「えっ!?」と素っ頓狂な声を出した。

「それマジ!?」

「そうマジ。だから頑張って稼いでも、半分しか使えないの」

 もうウンザリ、と涼子はため息を漏らす。

「でも数万円は使えるだろ?」   

 いくら稼いでいるのか分からないが、自分の小遣いよりは多いだろう、と流は聞いた。

「うーん、月に六万だから、三万円かな」

「…すっげー!」

 自分の小遣いの六倍の値段に流は大声を出す。

「でも正直足りないよ。スマホ代を自分で払わなきゃならなくなったし、アルバイトをするなら、とお小遣いはなくなったから、その分減ったのよ」

 高校生の頃はスマホ代は親が払ってくれたが、アルバイトを始めると親は払わなくなった。まだ大学の学費は払ってくれたから、その分負担はなかったが。

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