第527話 流の災難と、内緒のアルバイト!? その④

「ありがとうございます。三千円のおつりです」

 レジを打ち込み、結は千円札を丁寧に三枚渡す。このハッピーくじは一枚七百円なので、十枚で七千円だからだ。

「どうぞ」

 結は両手でハッピーくじの券が入っている小さな箱を差し出した。 

 男性は一枚ずつ取り出し、その場でめくっていく。その内の一枚が、A賞のフィギュアの当たりくじだった。

「おめでとうございます」

 つい、結はそう言ってしまった。余計な事をした!と下を向いてしまったが、

「ありがとう」

 男性は気分を悪くすることなく、逆に礼を言った。

 男性がくじをすべてめくり終えた後、結はレジの後ろのカウンターから商品を運んでくる。A賞のフィギュアだげでなく、ハンドタオルにキーホルダー、クリアファイルと小物入れにクッションなどと言った実用性が高い日常品の商品も多かった。

「ありがとうございました」

 男性は持ってきたエコバックへ丁寧に商品を入れると、満足な顔で店を出た。結はレジの中から、頭を下げて見送ったのだった。

「結ちゃん」

 振り向くと、店の奥から三十代後半の若い女性が出てきた。  

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