第519話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その223
「…霧島、悪かったよ」
根津が、己の行いを恥じるように小さめな声を出した。
「勝手に思い込んで、ひがんでいた。…ごめん」
飛騨も続けて、結へ申し訳なさそうに謝る。
「やーちゃんも、謝るー」
浦は、ぺこぺこと頭を下げる。三人とも、結へ酷い事をしてしまったと、謝罪してきた。
「貴女達のお気持ちは、分かりましたよ」
そう言いながら、結は三人組からそれぞれ茶封筒を受け取った。
「…ホントすごいよ。あんな辛い目に遭ったのに、誰かを助けようとするなんて」
「…あんな辛い思いをしたのに、それで八つ当たりなんかしないところも」
「霧島さんって、成宮華より大人かもー」
つい結は「えっ?」とした声を出してしまった。まさか華より凄いとは思われもしなかったからだ。
「じゃ!」
三人同時に片腕を上げながら、一年三組の下駄箱へと進んでいった。
三人組が別の下駄箱のそばで何事もなかったようにお喋りをしている時、結は三枚の茶封筒をそっと開いてみた。
予想通り、それぞれの茶封筒には一万円札が入っていたのだ。あの三人が、今日まで頑張って働いて手に入れたお金だ。
(確かに、受け取りました)
結は三枚の茶封筒を、丁寧に学生鞄の中へ仕舞った。
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