第518話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その222

「根津さん、飛騨さん、浦さん、おはようございます」

 履き替えた靴を下駄箱に入れ、振り向いた結は三人組へ挨拶をした。

「これ!」

 三人は結の一歩前で立ち止まると、同時に茶封筒を出す。

「これは…?」

「昨日、アルバイト代が入ったから!」

 それで結は理解した。三人組は、結へお金を返しに来たのだ。

「紹介されたアルバイト先、大変だったけどやりがいがあってよかったよ!」

「周りの人も優しくて、すぐ仕事を覚えられたから」

「やーちゃん達、これからもアルバイト続けることにしたのー!」

 初めは不安だったが、周りの大人や先輩達は根気強く三人組へ指導してくれた。そのかいあって、三人組は今では大事な戦力としてアルバイト先では頼りにされているのだ。

「…霧島のお父さんのおかげだよ。アルバイト先で、あんなにいい人達に出会えたから」     

「塾も楽しいし、今では家の事なんてあまり気にならなくなったよ」

 親以外の大人達が、自分達が頑張っていることを認めてくれる。家以外に心地いい居場所が作れたことで三人組はもう他人を妬んだり、僻んだり、羨んだりしなくなったのだ。

「やーちゃんもアルバイト代で欲しいお洋服が買えるし、すっごく楽しー!」

 初めて会った時とはうって変わって、笑顔で満足な様子を見せている三人組に、結は(よかったです…)と思った。

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