第516話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その220

「…うん。でも結と神崎さんはお互い嫌いになった訳じゃないし、これから仲良くなれると思うけど」

 向かい側のソファに座っていた華が、父を慰めるように話す。           

「…結ちゃんは、まだ気にしていたんだな」

 息子の優一に説教された後、ようやく結へ酷い行いをしたのだと気づかされた。その後、結へ頭を下げたがまだ許してくれなかったのだ。

「私も聞いてびっくりしたわ。もう大丈夫だと思っていたから…」

 一緒にお昼を食べても、嫌がっているそぶりは見せてなかった。だから華は、結は自分に対してそんなにもう怒っていない、と考えていたのだ。

「でも、まだ気にしていたなんて…」

 それで華は、結に新しい友達を作らせようとした。そうすれば父親を許してくれるだろう、と。

「…あの時は、必死で結ちゃんを守ろうとしてたんだ。あんな、辛い目に会わせたくなかったから」

 子供時代にとても辛い思いをしたから、同じ目に遭っている姪を守らなければならない。それで今持っている成宮グループの力を使って結の学校へ圧力をかけたのだ。

 しかし、結にとってそれは見当違いな迷惑行為だった。それがきっかけで結の大切な友人は離れてしまったのだ。

「だが、それで結ちゃんに嫌われてしまった…。その友人の子に会おうとしたんだが、お義父さんに止められてしまったよ」

 会長である義理の父親に注意された後、華の父親はその友人の子に謝罪しようとした。

 だが、会長からすぐ止められたのだ。本心から迷惑をかけてしまった事を詫びるのではなく、結と仲直りしてほしいから謝りに行こうとしたのを見抜かれてしまったから。

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