第515話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その219
「成宮さんは、成宮グループの力を使ってあの子達の件を解決しましたが、あの子達にしてみれば力ずくで無理やり制裁された、と思ってしまったようです」
弁護士まで使って、神崎へと近づかないようにしたのだ。ここまでしないと嫌がらせを止めさせられない、と華は思ったのだろう。
「それで、従妹である霧島さんを襲ったのですが、霧島さんはそれでもあの子達がなぜこんな事をするのか考え、寄り添う事でその理由を突き止めました。そしてご両親と協力して、新しい居場所を提供したんです」
根津達三人組が問題行動を起こした理由は、それぞれの家庭に原因があった。それで結の父親がある提案をすると、三人組の問題行動は完全に収まったのだ。
「あの子達の成績も上がりましたし、こちらとしては一石二鳥ですよ」
現代文の担当をしている春山先生は、にこやかな顔で言った。
「今回は、霧島さんが寄り添ってくれたから良い方向に解決できました。悪い事をしたからとはいえ、一方的に厳しい罰を与えることだけが正しい方法ではない、と思いましたから」
場合によっては、それが正しい方法な時もある。だが、今回は罰を与えるより抱えていた悩みを解決したことで関わってきた者達が全員救われたのだ。
「本当にいい生徒を持ちましたね」
掛け値なしで褒めた秋野先生へ、春山先生は「ありがとうございます」と笑った。
「…そうか、だめだったか」
その日の夜、成宮家のリビングで華の父親が肩を落としていた。
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