第514話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その218

「まずはいったん落ち着いて。そして少し離れたところで霧島さんを見守ってみて」

 諭すように、杉村は華へそう言った。

「………」

 杉村にまで止められたのが効いたのか、華は黙ってしまう。

「杉村さんの言う通りです。私が心配なのは分かりましたから、今は一歩離れて、視野を広くして、様子を見て、私の話を聞いてから行動してください」

「…分かったわ」

 結からの頼みに、華はいったん頷いた。    

 

「どうですか?最近の教室の様子は」

 昼休み、職員室で昼食を食べ終えた春山先生は、向かい側の机に座っていた秋野先生へ話しかけた。

「前よりいい雰囲気になりましたよ。あれ以来、嫌味など言わなくなりましたから」

 手作りのサンドイッチを食べ終えた秋野先生は、明るい顔で返事をする。ようやく、春ごろから抱えていた問題が解決した、という顔だ。

「これも霧島さんのおかげです。あの子達が、心の中で苦しんでいたとは気づきませんでしたから」

 秋野先生は何度も話し合いをしてきたが、結局三人から本音を引き出せなかった。結は自分の辛い体験を話した事から、三人が抱えていたものを気づかせたのだ。

「前にも、霧島は問題を起こした生徒に寄り添ったことで、その子が抱えていたものに気づくきっかけを作りましたから」

 この学校で起きた、ある事件を思い出しながら春山先生は話す。

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