第513話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その217

「断れたのですね」           

 結にとって、神崎の行動は予想通りだった。

「だからと言って、私と神崎さんの中が悪くなったわけではないですよ。お互いにとって、心地のいい関係になっただけです」

 友達じゃないからって、仲が悪いわけではない。いや『友達』という言葉で縛られない関係だからこそ、かえって仲良くなれるのだ。

「成宮、霧島は霧島なりに周りといい関係を築こうとしているんだ。だから邪魔せずに様子を見続けてくれないか?」

「邪魔って…!?」

 満からそう言い切られ、華は心臓に衝撃を受けて真っ白になった。

「これから霧島さんが親切をすれば、成宮さんがそれを受けた人に『霧島さんと友達になって』と言ってくるかもしれないのよ?霧島さんは、それで周りに迷惑をかけてしまう、と思うんじゃない?」

 根室が言った予想に、ようやく他の同級生達は結の気持ちが分かり始めた。

「成宮さんが霧島さんを大事に思っているのはわかるよ。だけど、かなりおせっかいじゃないかな?」 杉村が、華へ意見をする。

「私はさやちゃんとはそんなにべったりしていないし、まずさやちゃんの話を聞いてから考えるよ。何だか今の成宮さんは、霧島さんの事を考える余裕を無くしているような気がする」

 相手の気持ちを受け入れる余裕がないと、自分の意見を押し付けてしまう。最近の華は、肝心の結の気持ちを考える前に自分の意見ばかり通そうとしているのだ。

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