第509話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その213

 結は「正直な話、謝罪されても、まだ許せません」と言った。華と、華の父親は「ええっ!?」と悲鳴を上げたが、優一は「結ちゃんがまだ許せないのなら、それでいいよ」と結を支持したのだった。

 

 優一からの説教のおかげか、華はあれからおとなしくなった。

 冬休みに会った時、華は「望ヶ丘高校へ行く」と話してきたのだ。撫子女学院は高等部があるからそこへ進学するものかと思っていた結は、正直「え?」と小声を出したのだ。

 理由は「結が心配だから」だった。「結はSNSをやっていないどころか電話もラインにも返事がなかったから近況が分からないでしょ!だから同じ学校へ行くわ」と切羽詰まった顔で言い出した華を見て、結は「また一人で勝手に暴走しないように、目が届くところで見張ったほうがいいかもしれない」と考えた。

 優一がしっかりと説教してくれた事で、結は華を前より受け入れられるようになった。それで結は、華が同じ高校へ行く事を許したのだった。



「華さんが私を心配してくれているのは分かります。ですが、私は今でも、正直怖いんです」

「…怖い?」

「私のせいで、周りに迷惑をかけてしまう。もし傷つけてしまったら…、と」

 その言葉が、結の心の傷の深さを表していた。

「…誰も結が迷惑をかけているなんて思ってないでしょ!?」

 そう言いながら、華は周りを見回した。同級生達へ同意を求めるように。  

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