第508話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!?その212

 それから結は、華とますます話さなくなった。勝手にアニメ好きな事を、結にとって他人な人達へ話したのが許せなかったのだ。

 何度も連絡があったが、結は出なかった。数か月後、親戚が集まる機会があったので、結は華の兄に会うために参加した。

 華の兄である優一は、東京の大学に通っている。友人と東京のアパートでルームシェアをし、アルバイトをしながら生活をしている。

 ちょうどその頃帰省をしていたので、結は会うのが楽しみにしていた。優一は、ちゃんと結の話に耳を傾けてくれる人だからだ。

 華の家に着いた時、優一の厳しい声が聞こえてきた。何事かと思いリビングへと行くと、怒りに満ちた顔で優一が、華と自分の父親に対して説教していたのだ。

 その内容は、結についてだった。自分勝手な思いで結の学校へ圧力をかけた父親と、友達を作らせるために周りも騙す真似をした妹がした行為に対し、それがどれだけ結の心を傷つけたのか、怒鳴り散らすのではなく怒りがこもった声で淡々と話していた。 

 それを見た結は『優一お兄さんが自分の辛さを分かってくれた』と感じていた。結から話してないが、優一が帰省をする前に結の父親へ報告をした際に、結の父親の様子が変だと感じ取った優一が聞き出したのだ。

 父親と妹が結へ酷い行いをしたと知った優一は、家に着くなり二人を問いただして説教した。優一にとって、特に父親がやった行為は許せるものではなかったのだ。

 説教が終わった後、二人は結へ謝罪をした。げっそりとしていたから、さすがに少しは効いただろう。

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